デジタルな衣服だけを提供する実店舗、「HOT:SECOND」がロンドンで期間限定オープン
デジタルな衣服だけを提供するポップアップ店舗「HOT:SECOND」が、2019年11月19日〜21日の期間限定でロンドンに登場した。
訪問者はいらなくなった衣類と引き換えにデジタルな衣服を試着、デジタルファッションの没入感を体験できる。循環型経済をコンセプトにした世界初のファッションストアだ。
デジタルな衣服の体験方法とは?
Image Credit : HOT:SECOND
HOT:SECONDは、ファッションエデュケーターであるKarinna Nobbsが、ユニクロのスマートミラーといったデジタルマーケティングを行う企業Holition Innovation Studio、3DアーティストのEmily Switzerと協働して開催した。
訪問客は、古着回収業者Love not Landfillにいらなくなった服を寄付すると、デジタルな体験を始めることができる。店内には小さい部屋が何個もあり、訪問客はそこでHolitionのスマートミラーによってデジタルな衣服を仮想試着できる。
試着できる服は、オートクチュールからストリートウェアまで選択できる。衣服の製作者は、約100万円でデジタルドレスを売って話題になったThe Fabricantや、 デジタルな服の販売で2019年のカンヌライオンズでグランプリを取り有名になったCarlings(カーリングス)とVIRTUE、イギリスのファッションブランドChristopher Raeburn(クリストファー・レイバーン)などだ。
訪問者は物理的な服を持ち帰ることはできないが、自分の好きなデジタル上の服を着た画像を1枚、印刷して持ち帰ることができる。
また店舗内では、ワッペンやアイロンプリントで着古した服をリメイクできるカスタマイズステーションや、デジタルな衣服やサステナビリティに関する無料のワークショップも開催された。
HOT:SECONDの狙いとは?
今回のポップアップ店舗は、利益をあげることが目的ではない。デジタルな衣服を身に着けることへの、訪問客の反応を研究するために設計されたプロトタイプだという。
HOT:SECONDの事前調査によると、デジタルファションに馴染みがないと答える人は38%。一方で60%の人が興味があるという。また22%の人々がデジタルファッションでも「ファッション」を楽しめると考えており、今後デジタルファッションはファストファッションに代わる、より強力でサステナブルな選択肢になるだろう。
2019年は、デジタルドレスが約100万円で売れたり、Farfetchがデジタルファッションの着せ替えゲーム「Drest」を発表したり、LouisVuitton がオンラインゲームLeague of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)のトロフィーをデザインしたりと、ファッション業界のデジタルファッションへの参入が顕著な1年であった。
デジタルファッションでもファッションを楽しめると考える人が増えているなか、比較的デジタル化が遅いといわれるファッション業界が、いかなる業界と組み、どんなサービスや活動を展開していくのか、今後が楽しみだ。
HOT:SECONDは、2020年1月にブロックチェーン企業LUKSOと協力し、ベルリンファッションウィークでポップアップ店舗を出店する予定だという。
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