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スマホでしか着られない?完全デジタルな服「Carlings(カーリングス)」が生まれた背景とは

ニュースサマリ
2018年11月北欧のファッションEC「Carlings(カーリングス)」はバーチャルインフルエンサーPerlと連携して世界初の完全デジタルのコレクション「Neo-EX」を発表した。ユーザーは自分の写真をNeo-EXに送ると、Carlingsのデザイナーによって、ユーザーが実際に服を着ているように合成した画像を作成して貰える。価格は1画像生成につき10~30ユーロ(日本円で約1,200円〜3,700円)。利益は全て水と衛生専門の国際NGO、WaterAidに寄付される。

CARLINGS LAUNCH DIGITAL COLLECTION NEO-EX
via TOTALLY STOCKHOLM


話題のポイント
自分の写真を送るだけで、指定した商品を実際に着たかのような写真が手に入る。
つまり、デジタル上で作られ、デジタル上でしか着れない
ここまで完全にデジタルな服は今までなかったでしょう。ではどうしてこのように完全にデジタルな服が作られたのでしょうか。

今回は、完全にデジタルな服が作られた背景から、それらが受けいれられた理由まで探ってみましょう。

まず完全にデジタルな服が作られた背景には、現在ファッション業界で注目となっている「Sustainable」が鍵となっているようです。

Co2排出量水の消費量共に世界第2位の産業、ファッション業界。きめ細かな消費者のニーズやトレンドに対応するために大量生産が行われており、在庫過剰も大きな問題となっています。
また最近ではインフルエンサーを始めとして「一度SNSで着た服は着れない」と数回着ただけで服を捨ててしまう人も多くなり、より一層環境問題への影響が叫ばれてきました。

このような問題からファッション業界では、「Sustainable」、つまり環境問題や労働問題、社会問題に配慮しながら、良識にかなった素材の選定や購入、生産、販売をすることが求められています。

その中でVivienne WestwoodBurberryを始めとしたハイブランド次々にSustainableの取り組みを始め、遂にはCarlingsが完全デジタルなコレクションをだすまでになりました。

Image Credit : Youtube by Carlingstube

では、どうして今回のコレクションが受け入れられたのでしょうか。
理由として主に2つあるでしょう。

1つ目はSNS上のニーズをうまく満たしているためです。

「一度SNSで着た服は着れない」と思っている人が多いことは上述しましたが、そのようなニーズに対しても今回のコレクションはうまく答えています。服を買うよりは安く、新しい服を買ったような写真が作成できるので、毎回違った個性的な服を投稿できます。

Sustainableの考え方とSNSで自己表現をしたいという現代ならではの価値観をうまく融合させた例と言えます。

2つ目は仮想の世界が受けいれられるようになっていることです。

今回のコレクションはバーチャルインフルエンサーPerlとコラボして行われました。
バーチャルインフルエンサーは150万のフォロワーを獲得したり、2019年1月時点で1億2,500万ドル(日本円で約136億7,000万円)の資金集めに成功するなど実在のインフルエンサー以上の人気を博しています。

このようにバーチャルインフルエンサーが受け入れられるのは、“仮想や非現実の世界でも感情移入して、強いつながりを感じられる”若い世代の特徴を反映しているからなのかもしれません。

現代ならではの価値観で非常に興味深いですが、今後よりテクノロジーが発達すれば、仮想の世界が盛り上がっていくでしょう。例えば、バーチャルインフルエンサーが感情を持って自律的に動くようになったり、亡くなった人や有名人のバーチャルキャラクターが登場すれば、現実と変わらないか、それ以上の体験ができるかもしれません。

Image Credit : Carlings

今回紹介したNeo-EXは「現実の世界でファッションを楽しむと環境に負荷がかかってしまう」という問題に対して「仮想上でファッションを楽しむ」という新しい考え方を提示してくれる斬新なものでした。
バーチャルインフルエンサーやVTuberが流行して行く中で、ファッションの楽しみ方がどう変わっていくのか、これからの重要なポイントとなっていくでしょう。


ZOZO研究所では、ファッションに関する研究を行っております。
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