【潜入レポ】本日OPENの渋谷パルコ、ファッションテック的注目ポイントを紹介
本日2019年11月22日に3年の改装期間を経て、リニューアルオープンする「渋谷パルコ」。以前の記事でも紹介しましたが、新生渋谷パルコのテーマのひとつは「TECHNOLOGY(テクノロジー)」。
そのコンセプト通り、デジタルテクノロジーを駆使した様々な仕掛けがされていました。今回はOPEN前に潜入取材した、ファッションテックの観点からの「渋谷パルコの楽しみ方」を紹介します!
PARCO CUBE
Image Credit : PARCO
新生渋谷パルコでは主に5階が「TECHNOLOGY」をテーマにしたフロアとなり、様々なサービスが提供されています。なかでもECと連動したオムニチャネル型の売り場「PARCO CUBE」が目玉となっており、各ブランドの店舗やエスカレーター横に多くの大型サイネージが設置されているのが特徴です。
この大型サイネージは、商品画像をタップするとECサイトの在庫を簡単に確認、購入することができ、店頭でのサイズ欠品に悩むことはありません。また購入を即決できない場合に、友達への相談もスムーズに行えます。画面に商品画像が湧き出るように登場するので、購買意欲も湧いてきました。
加えてPARCO CUBE内の一部の店舗には、試着時に自分の後ろ姿を確認できる「CUBE MIRROR」が設置してありました。カメラで撮影した映像を数秒遅れで表示しているようで、自分では確認しにくい後ろ姿を鏡でチェックできるのは、ひとりでの買い物時にも役立ちそうです。
temi
この5階フロアには、AIアシスタント機能を持つ自律走行型パーソナルアシスタントロボットがいました。これは株式会社hapi-robo st(ハピロボ)が発売している「temi(テミ)」というロボットで、顧客の案内を目的に試験導入されているそうです。
12月からは、離れた場所で操作するインフォメーションスタッフが問い合わせに回答するサービスも実施予定。ロボットと話すことに抵抗がある人、ロボットでは答えにくい複雑な質問にも、臨機応変に対応できそうです。
temiは後半で紹介する、BOOSTER STUDIO by CAMPFIREでも販売されています。
ARによる仮想空間演出
5階には更に、ARを活用したデジタルアートの展示がされており、気軽にARを体験できます。
Image Credit : PARCO
ここでは20台のVRヘッドセットが準備され、インタラクションによって変化するアート作品を体験することができました。
VRヘッドセットでの体験は期間限定、その後はタブレットに切り替わるそうなので、ぜひ最新のVR装置を体験してみてください。
また、X-girl、MILKFEDなどを運営するcalif(カリフ)とグラフィックアーティストのステレオテニスがコラボした、ARのアートワークも期間限定で展示されています。こちらは自分のスマホでARマーカーをスキャンするだけなので、より気軽に体験できます。
5階にあるcalifの店舗で商品を購入した人だけが楽しめるゲームやクーポンも用意されており、実店舗での体験と合わせて最新テクノロジーを楽しめる新しい仕掛けだと思いました。
calif SHIBUYA
Image Credit : ビーズインターナショナル
また各ブランドの店舗内でも、様々な取り組みがされていました。
ARアートワークも提供しているcalifの実店舗「calif SHIBUYA」では、”オンラインストア”の”オフラインストア”として、ECで扱っている様々なブランドをセレクト展開。
3Dバーチャルフィッティングサイネージ「FXMIRROR」を採用し、実際に試着しなくても着用イメージをモニター内で確認できるほか、タブレットを用いたオムニ接客など新しい購買体験を提供しています。
THE NORTH FACE LAB
2階には自分だけのオリジナルのアウターが作れる店舗、「THE NORTH FACE LAB(ザ・ノース・フェイス ラボ)」がありました。
ここでは、ウェアカスタマイズサービス「141 CUSTOMS(ワンフォーワンカスタムズ)」が展開。専門スタッフによるカウンセリングと共に、店舗内にある3Dスキャンシステムで各ユーザーの体型にあわせたシミュレーションが可能です。また裏地、ファスナー、ボタンなどのカラーサンプルが置いてあり、実際に触りながらデザインや生地を選び、シミュレーションで配色を確認できるようになっていました。
Image Credit : THE NORTH FACE
JINS
Image Credit : JINS
以前の記事でも紹介したように、ショールーミング店舗やメガネの似合い度をAIで判定するサービスなど、新たな取り組みに積極的なJINS。渋谷パルコにオープンするのも、最新テクノロジーを活用した次世代型店舗です。
メガネの購入には、自分のメガネをかけた状態でも商品をバーチャルで試着できる世界初のサービス「MEGANE on MEGANE(メガネ オン メガネ)」を提供。ディスプレイ上に映し出された自分の顔からメガネが消え、その場でスキャンした試したいメガネが顔の上に合成される仕組みです。目が悪い人が新しいメガネを検討する時に、自分のメガネを外すと試着した姿がよく見えないという課題を解決しています。
Image Credit : JINS
コンタクトの購入では、事前にアプリやLINEから必要情報を登録すると、すぐにコンタクトレンズが買えるコンタクトレンズの自動販売機を設置。消耗品なのに買うのに時間がかかるという煩わしさから解放されます。
BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE
1階にある「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」は、クラウドファンディングと連動した日本初の実験型AIショールーム店舗。様々なメーカーの試作段階の商品が置かれています。
ファッション系のアイテムだと、2020年の5G時代に向け発売が予定されているMRグラス「nreal light」や、ファッションテックデザイナーOlgaによる「SOUND FABRIC ORCHESTRA」などが展示されていました。
驚いたのは、商品数の多さ。最先端のアイテムを一度に沢山触れることができる注目スポットです。
新しい購買体験をみせてくれる渋谷パルコ
Image Credit : PARCO
このように、様々な最新テクノロジーの体験ができる新しい渋谷パルコ。
それぞれのサービスはまだ試験的なものが多く、また類似する取り組みも既にあるでしょう。しかし、渋谷という場所において、キャンペーンではなく常設で最新の取り組みを一挙に導入していることは、ファッションテックをより身近なものにする重要な存在となりそうです。
また、パルコは2018年のSXSWで「2020年の買い物体験」と題したVR空間でのファッション体験を描き、より未来的な購買体験を提案しています。今回の渋谷PARCOは、そんな未来図への第一歩なのかもしれません。
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