ARを使ったバーチャルキャットウォーク、ASOSの今後の施策とは
ASOS(エイソス)は、アプリ上の商品をAR見ることができる機能「Virtual Catwalk(バーチャルキャットウォーク)」を2019年6月10日に発表した。
ASOSは10代から20代の若者に人気なイギリスのファストファッションのECサイト。過去5年間の年平均成長率は50%以上で売上は24億1700万ポンド(日本円で約3110億円)を誇る。自社ブランドを含め850以上のブランドを取り扱い、160カ国以上に出荷するほど大きなECサイトだ。
Virtual Catwalkとは?
今回のVirtual CatwalkはASOSと、イギリスのAR開発を行う企業HoloMeと共同で開発されたもの。
Virtual CatwalkとはASOSアプリ内にあるAR機能。
実際に商品を着たARモデルが歩いている様子をみることで、商品の丈感やしわ感など商品の細部を購入前に確認できる。技術的には3Dモデルではなく、動画を切り抜いてモデルを表示させていることが面白い点だ。
まだAR機能を試せる商品は100種類ほどだが、この施策によって購入前と購入後の商品イメージの乖離がなくなればAR機能を試せる商品数は増えていくだろう。
AR機能の使い方
使い方は至って簡単だ。
アプリ内にある「Shop ASOS DESIGN with Virtual Catwalk」をクリック。
Virtual Catwalkができる商品の中から好きな商品を選び、ARボタンを押すとカメラが起動しARが体験できる。
キャットウォークに必要なスペースを見つけ、画面をタップ。すると、ARのモデルが画面上に表示される。
モデルをズームインしたり、動くモデルを一時停止したりすることで、商品の詳細を確認できる。
実際に着て動かないとわからない商品のハリ感など、購入を検討するにあたって必要な情報を購入前に確認できる。
ASOSの様々なファッションテックの取り組み
近年ASOSは、ファッションテックに力を入れてきた。
ASOSは2018年10月に声だけで買い物できるGoogleアシスタント機能を追加、更に同年11月にはAIがユーザーにオススメのサイズを教えるFit Assistant機能を追加している。
今回紹介したVirtual Catwalk以外にも、異なるサイズのモデルが同じ商品着た場合の違いを確認できるAR機能など、ユーザーが自分にあった商品を知るための様々な機能を試しているという。
バーチャルインフルエンサーが流行し、デジタルドレスが100万円で取引されるなど、バーチャルに力を入れている企業が多い現在。今回のVirtual Catwalkの様に動くARの機能が発達し流行すれば、バーチャルと現実の世界がリンクしたファッション体験も実現されていくのかもしれない。
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