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フォロワー160万も、人間を超えつつあるバーチャルインフルエンサー。今注目の12人

Instagramでいいねを獲得するために少し盛った生活をする人が増えてきた。その延長で仮想の世界で自分を表現する、バーチャルインフルエンサーがここ1、2年で急速に増えている。
彼らはInstagramで人間のインフルエンサーと同じような画像を撮り、コメントを添えて投稿をしている。時には恋愛をしたり、時にはモデルとして活躍したり人格をもって生活をする彼らを人間の友達のように接し、ファンになる人も多い。それほど影響力が増してきた話題のバーチャルインフルエンサー。今チェックすべき12人のバーチャルインフルエンサーを紹介する。

Lil Miquela (@lilmiquela)

Instagramフォロワー数:約160万人(2019年7月時点)

「Lil Miquela(リル・ミケーラ)は2016年にシリコンバレーのテック企業Brudが発表したバーチャルインフルエンサー。ブラジル系アメリカ人で19歳のバーチャルインフルエンサーはInstagramだけでなく、Spotifyで音楽を発表し、PRADAなどのファッションブランドとの協同、最近ではCALVIN KLEINのプロモーションビデオに登場し話題となった。CHANELSupreme等の人気ブランドを取り入れたストリートスタイルが得意で、実存する場所を背景に人間と一緒に写った投稿や実際に行われたイベントとリンクした投稿が多い。熱狂的なファンも多く、ファンは" Miquelites"と呼ばれる程になっている。
Instagramではファッションブランドを立ち上げることを示唆する投稿をしており、今後もファッション業界へ多大な影響を及ぼすことになるだろう。

Bermuda(@bermudaisbae)

Instagramフォロワー数:約13.7万人(2019年7月時点)

「Bermuda(バミューダ)はLil Miquelaと同じくシリコンバレーのテック企業Brudが制作し、2016年にInstagramを開設した。Lil Miquelaと、垢抜けてセレブのような容姿であるBermudaは2018年4月にLil Miquelaのアカウントをハックし、投稿画像を全て自分に差し替えたことで話題になった。MiquelaとBlawkoとの一緒に写っている投稿も多く、バーチャルな世界ながらも様々な人間関係を築いているところが興味深いポイントだ。

Ronnie Blawko(@blawko22)

Instagramフォロワー数:約13.6万人(2019年7月時点)

「Blawko」もシリコンバレーのテック企業Brudが制作したメンズのバーチャルインフルエンサーで、口元を隠す黒いマスクがポイント。Instagram以外にもYoutubeを精力的にアップロードしており、既に36個の動画を投稿、Youtubeのチャンネル登録者数は約4,000人(2019年7月時点)。ストリートファッションを着こなし、大衆よりな投稿が多いことから親近感をもってフォローしているファンも多い。

Shudu(@shudu.gram)

Instagramフォロワー数:約18万人(2019年7月時点)

2017年4月に世界初のデジタルスーパーモデルとしてInstagramに登場した「Shudu(シュードゥ)。イギリスの写真家Cameron-James Wilsonが制作した。制作者がShuduはあくまで芸術作品だと言っている様に肌、髪の質感や目の表情がかなりリアルな上、見事なプロモーションで妖艶な魅力を感じさせる。アメリカのシンガーRihannaが設立したビューティーブランド「Fenty Beauty」で紹介されたことで話題になり、固定ファンもいるほど人間のモデル以上の影響力を持っている。今後、モデルの定義を変えるような存在となっていくかもしれない。

noonoouri (@noonoouri)

Instagramフォロワー数:約30万人(2019年7月時点)

2018年につくられた19歳でパリに住むバーチャルインフルエンサー「noonoouri」。製作者はドイツ人アーティストJoerg Zuber。特徴的なのはそのビジュアルで、複数いるバーチャルインフルエンサーの中で最も人間らしさがない。しかしDior Cosmeticsのアンバサダーや、PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI(フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ)のルックブック、中国版VOGUEのデジタル版に起用されるなど注目のインフルエンサーだ。Instagramの他に、Youtubeへのメイクアップ動画の投稿も行っており約1.2万回再生されている(2019年7月時点)。
彼女は見た目が違いすぎているからこそ、非現実的な理想の姿として支持されているのかもしれない。投稿する写真の中でも、毛皮は着ないなどとサステイナブルなファッションを愛しているため、新しいファッションの価値観を推進する者として今後も注目だ。

Daisy(@yoox

2018年12月にイタリアのオンラインストアYOOX(ユークス)のInstagramに突如現れた「Daisy(デイジー)。DaisyはYOOX専属のバーチャルモデルだ。
DaisyはInstagramでYOOXの服を着こなしたコーディネートを披露している他、YOOXのアプリYOOXMIRRORではショッピングガイドを務め、オススメコーディネートを提案、Daisyをアバターとして試着体験をすることもできる。
Daisyの様に会社専属のバーチャルモデルは珍しいが、SK-Ⅱは2019年6月にバーチャルのブランド大使Yumi(ユミ)を発表。今後自社製品のマーケティングのためにバーチャルキャラクターを作る会社も増えてくるかもしれない。

Imma (@imma.gram)

Instagramフォロワー数:約7.3万人(2019年7月時点)


2018年6月にバーチャルモデルとしてInstagramに登場した「Imma(イマ)。国籍、生年月日、経歴は非公開。プロデューサーM氏からの依頼で、モデリングに特化したCGプロダクション「ModelingCafe」が制作。
肌や髪の毛の質感など全く違和感ないほどリアルであることが特徴的だ。KATEとi-D Japanとのコラボ企画でのナチュラルメイクでは、人間のモデルとの差をほとんど感じさせなかった。パリコレに行き、人気モデルの秋元梢とのツーショットも披露。若者言葉を使った投稿も多く若者の新たなファッションアイコンとして活躍している。

Ria Oumi(@ria_ria_tokyo)

Instagramフォロワー数:約1千人(2019年7月時点)

2019年3月にInstagramを開設した「Ria(リア、本名:桜海莉亞)は自由が丘在住で、イタリア系フランス人と日本人のハーフのバーチャルモデル。製作者や詳細は不明だが、艷やかな黒髪、170cmの高身長と小顔、個性的なムードでELLE JAPANに“it”モデルとして紹介されている。
言葉の定義に関する投稿が多く、そのミステリアスな雰囲気に惹かれている人が多い。

Liam Nikuro(@liam_nikuro)

Instagramフォロワー数:約1.7万人(2019年7月時点)

以前記事でも紹介した国内初のメンズのバーチャルインフルエンサー「Liam Nikuro(リアム・ニクロ)は2019年3月にInstagramのアカウントを開設。アメリカと日本のハーフで、身長180cm。制作はバーチャルヒューマンを企画、開発するベンチャー企業ワンセック(1sec)だ。数少ないメンズのバーチャルインフルエンサーだからか女性のフォロワーが多いのが印象的で、ミスiDのファイナリストに残ったCG少女Sayaのように仮想の彼氏として影響を受ける人も多いかもしれない。

葵プリズム(@aoiprism)

Instagramフォロワー数:約8千人(2019年7月時点)

2019年2月にInstagramを開設したのは世界初のバーチャルギャル「葵プリズム」。1998年7月25日生まれの20歳で身長は167cmだ。ミレニアル世代で構成された謎のクリエイター集団・YYZによって生み出され、古着女子などを運営するyutoriのバーチャルインフルエンサーのモデルエージェントVIMに所属。
109の前で撮った写真や、派手な色のコーディネートなど盛りを意識した写真をギャルらしい言葉遣いで投稿している。またギャル雑誌eggを投稿している等ギャルの文化を伝えているものが多く、それらを懐かしむアラサー世代や文脈を求める若者に受けているという。

uca(@xx_uca_xx)

Instagramフォロワー数:約3千人(2019年7月時点)

2019年6月にInstagramを開設した「uca(ウカ)は国内初のバーチャルドール。葵プリズムと同じくYYZによって生み出され、VIMに所属している。
ファッションモデルやアパレルブランド「Crayme,」を展開する菅野結以がプロデュース。菅野結以はucaのプロデュースに関してTwitterで下記のように語っている。

「ucaは少女が女性へと羽化する最も美しい瞬間だけを生き続ける女の子の幻想や理想を体現する存在」

スタイリングもファッション雑誌NYLONなどで活躍する二宮梨緒が担当していることから、ドールという難しい存在ながらも世界観をうまく作り出すことで、女性の憧れとして支持されている。

MEME(@meme.konichiwa)

Instagramフォロワー数:約1,1千人(2019年7月時点)

株式会社アタリと、ZARBON AND DODORIA株式会社が共同で制作した「MEME(メメ)は、2019年4月にInstagramを開設した。何にでもなれるバーチャルであるが、MEMEはそばかすや目立つあざなどがあり、あえて“不完全な女の子”になることで、等身大のバーチャルモデルとして人気を博している。多様性が重要となる中、人間と同じように悩みやコンプレックスを持ったバーチャルモデルは心の拠り所としてフォローしていくファンも増えていくかもしれない。


海外では数多く登場しているバーチャルインフルエンサー。モデル活動や音楽活動に加え、Youtubeやブランドのプロモーションなど様々な仕事をこなし、リアルタイムのイベントとリンクした投稿を行うなど文化として定着し始めている。

一方、日本ではまだ活躍の機会は少ないながらも、バーチャルインフルエンサーの設定が深く、世界観やストーリー性が備わっているのが特徴的。
「スキャンダルを起こさない」「病気にもならない」など様々なメリットがあると言われているが、容姿やコメントからわかる通り制作者達は彼らをより人間に近づけようとしている。その存在意義は人間一人一人からの“見方”によって変わってくる。
これからより市場が拡大していくと考えられるバーチャルインフルエンサー、それぞれがどんな個性をだしていくのかこれからも注目だ。


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