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3Dスキャンでぴったりサイズを実現!オーダーメイドパンプス「AYAME」(前編)

現代のファッションビジネスのキーワードのひとつが、パーソナライズだ。それは色や形といったデザインからのアプローチもあるが、同時に重要なのがサイズやフィット感だろう。特に靴は、サイズが合わないものを履くのは難しい。ブランドによるサイズの違いはもちろん、足は左右でサイズが異なり、靴のサイズ選びに悩む人は少なくないだろう。特にECでは試着が難しく、靴の購入をアシストする計測サービスも登場している。

そのような中で登場したのが、オーダーパンプスを手軽な値段で楽しむことができるサービスAYAMEだ。AYAMEは月額3500円のサブスクリプションサービスで、3Dスキャンを駆使して自分にぴったりなサイズ感と理想のデザインのパンプスを手に入れ、手厚い保証を受けることができる。このオーダーパンプスサービスの詳細や想いを探るべく、運営する株式会社crossDs Japanの代表を務める諏訪部梓さんにお話を伺った。

靴が足に合わせる時代に

ーー「AYAME」のサービス概要を簡単に教えてください。

足を3Dスキャンして靴型(木型)をひとり一人の足に合わせて作る、本物のオーダーメイドパンプスです。「くらしHow研究所」の調査では、8割の方が足に何らかの悩みを抱えていると回答されています。そして、既製品のパンプスが足に合わなくてお悩みの方が多くいらっしゃいます。足の形は指紋や顔と同じで、人それぞれ違います。そのため、大量生産されたパンプスが足に合うと言う事は宝くじを当てるよりも難しいような状況になっています。

AYAMEはひとり一人の足を正確に3Dスキャンして、その足に合わせて靴型から作るため、左右で長さが異なる、幅広や細い足、踵が大きい小さいなど様々な足に合わせたパンプスを作る事ができます。もうサイズ選びで悩む必要は無いのです。

ーーオーダーを依頼してから手元に届くまで、どのような流れとなるのでしょうか?

WEBから来店の予約をしてもらい、来店頂きます。その後足を3Dスキャナで計測します。このとき、ヒールと同じ台に乗った状態の足も計測するので、よりパンプスを履いた時に近い足を計測して靴型に反映しています。パソコン画面に自分の足が3Dデータとして取り込まれる様子は、近未来感のあるワクワクする雰囲気があります。

パンプスの仕様は次の内容から選べます。つま先の形(ポインテッド、スクエア、ラウンド)、ヒールの高さ(7cm、5cm、3cm)、ヒールの形(7cm、5cm2種類、3cm1種類)、デザイン(2トーン、プレーン)、はきぐちの形(ラウンド、ハート、Vカット)、靴底(黒、ベージュ、赤)、ライニング=パンプスの内側の革の色(黒、ベージュ)、革の色(40種類)全ての組み合わせを計算すると、約1700万通りの組み合わせがあります。さらにサイズ展開はほぼ無限大となり、オリジナルの1足をご注文頂けます。店頭では各仕様を選びやすいように革やヒールのサンプルを全て用意してあり、製作例としてのパンプスも多数用意してあります。

ご注文&計測でのご来店から1ヶ月程度で完成します。完成次第、連絡をさせてもらうので、お受け取りにお越し頂きます。実際に履いて頂き、仕上がり具合を最終確認させて頂き納品させて頂きます。

3Dプリンタの可能性から着想を得て

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ーーどういったユーザーをターゲットとしていますか?

お仕事などで普段からパンプスを履くが、パンプスが足に合わない方全ての方をターゲットにしております。出来れば若いうちから足に合ったパンプスを履いてもらい、足のトラブルを未然に防ぐように足に合ったパンプスを若い方に履いて頂きたいと思っております。足を靴に合わせて変形させるような履き方は旧時代の言葉として葬り去りたいです。これからは、靴が足に合わせる時代です。

ーーこのサービスの着想に至った経緯を教えてください。

このサービスを考えついたのは、3Dプリンタの特許が切れて手頃な製品が市場に出て来た事がきっかけです。実際に組み立てキットになっている3Dプリンタを購入して、組み上げてみて、色々なモノをプリントしてみました。プリンタ自体の作りはすごく単純で、オープンソースの情報を元に組み上げられているため、仕様もほぼオープンになっており改造もしやすかったりしてぐっと敷居が下がったと感じました。

しかし、これが各家庭に1台ずつ配置されるような事はほぼ無いだろうとも思いました。なぜなら、それなりにメンテナンスに手間が掛かり、3Dデータを作るのも大変なためです。また、出来上がったプリント品の品質も一時的な使用であれば問題ないですが、長期の利用や審美性などを考えると色々と課題がある事も分かりました。そのため、最終製品を作るのではなく、中間の部材を作るような用途であればより活用しやすいのではないかと考えて、色々とビジネスのネタを考えたり探したりしました。

そこでたまたま、同僚の女性がパンプスが足に合わなくて困っているという話をしていており、色々調べると、足にピッタリでないと脱げたり擦れたりしてしまうのだが、量産品のため自分の足に合った靴はほぼ手に入らないという事が分かりました。当時Industry4.0なども騒がれており、マス・カスタマイゼーションとして、ひとり一人の足にあせた靴を作る、そのための靴型を3Dデータで作り、3Dプリントするというビジョンが思いつき、それを実現していくことになりました。

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後編では、生産体制の裏側や、サブスクに秘められた思いについてさらに深堀りしていきます。お楽しみに!

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