【潜入レポ】本日OPENのメゾンコーセー、ネイルプリンターからスマートミラーまで最先端の体験型店舗を紹介
本日2019年12月17日、銀座にオープンする「Maison KOSÉ(メゾンコーセー)」。顧客との新たな接点づくりの一環として開発を進めている、デジタルプラットフォームの仕掛けのひとつとして誕生したこの店舗。以前の記事で紹介したネイルプリンターをはじめ、様々なテクノロジーを体験することができます。今回はOPEN前に潜入取材した、最新のビューティテック体験をお届けします!
スマートミラー「Snow Beauty Mirror」
今回の新店舗の目玉のひとつが、店舗2階部分に設置されたパナソニック製のミラー「Snow Beauty Mirror」です。
このミラーで出来ることは主に3つ。まずは、鏡の前に座ると肌状態を瞬時に数値化する「肌分析機能」です。こちらは実際に試してみました!
肌の状態がしみ、しわ、毛穴、透明感、ほうれい線の指標で評価されます。さらに、しみやしわの場所まで具体的に図示されます。そして、おすすめのケアアイテムが、価格帯別にリコメンドされるというシステムです。
Image Credit : Panasonic
他にも、心の中にある理想の自分を見える化する、「理想顔システム」も搭載。KOSÉと明治大学との共同研究で開発された遺伝的アルゴリズムを、高いセンシング技術を持つミラーに搭載し、ランダムに表示される画像の選択を繰り返すことで、自分のなりたい顔のためには何をどうすればいいのか数値化してくれます。その結果、なりたい顔に近い、最適なファンデーションの色味や質感、仕上げのテクニックを提案してくれます。
そして2020年1月からは、こういった分析を用いて、皮膚に直接貼り付けてストッキングのように気になる色味やたるみをカバーする、極薄膜の「カスタマイズシート」も作成できるように。パーソナライズされたサービスの出発点として、スマートミラーが活用されていくようです。
ネイルプリンターの実証実験
もう1つの目玉が、店舗内に5台設置されたネイルプリンターです。1回1本まで無料でセルフ体験することができます。現在は、Maison KOSÉが日本で初めて取り揃えるアメリカの自然派コスメブランド『tarte』と、『JILL STUART Beauty』から着想されたデザインから選ぶことができます。
使用方法は2種類のベースを塗り、タブレットでデザインを選択。爪の輪郭を検知し、隅まで細やかなデザインがプリントされます。トップコートを塗って出来上がりです。普段のセルフネイルでは挑戦しづらい、複雑なデザインにも挑戦できるのがいいですね。
プリント自体の所用時間はわずかですが、2種類のベースをそれぞれ乾かす時間が必要なのに加え、タブレットからプリンターにデータ転送する時間がかかるといった課題もありますが、このプリンターはまだ開発段階。今後、さらなる進化が期待できそうです。将来的なプリンターの活用方法や事業展開も、この実証実験の結果を踏まえて検討していくそうです。
オンライン、オフライン、繋がるユーザー体験
さらに店舗内には、コスメの陳列の脇や柱などにタブレットが数多く設置されています。ここでは、メイクのAR体験が行えます。自分の顔を読み込ませると、ベースメイク、カラーメイクを試すことができます。アイシャドウ、マスカラ、チーク、リップなどフルメイクを施すことも可能です。
体験の様子は撮影することができ、自分のスマートフォンで商品情報が併記された画像を取得することができます。友達にシェアして相談したり、気になった商品のメモとしても利用できそうです。現在の精度では、マスカラなどは特に違和感のある仕上がりでしたが、複数のブランドのアイテムを気軽に試すことができるのは、とても便利です。
このようにMaison KOSÉでは、店舗で様々な体験や情報を提供し、そのデータをECでの購買や今後の購買に活用できるような有機的な導線が組まれていたのが印象的でした。
自分の肌の状態の正確な把握や、自分では具体化できない理想のイメージを探索できる体験型店舗は、顧客にとって便利なのはもちろんですが、メーカーにとっても、顧客のニーズを多角的な視点から掘り下げる場として期待できそうです。OMO(Online Merges with Offline)のあり方のひとつとしても、今後の展開に注目です。
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