New Balanceが街ゆく人の服装を採点、誰がトレンドを生み出すのか
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via FAST COMPANY
ニュースサマリ
ファッション・ウイークの初日である2018年9月6日、New Balanceは多くのファッションイベントが行われるニューヨークのSohoで人々のコーディネートを解析できるカメラを設置し、ファッショントレンドのデータを収集した。設置されたカメラによって街ゆく人のコーディネートをリアルタイムで解析。事前に集められた大量のファッションデータとは違った着こなしをしている人物には、New Balanceの新作シューズがプレゼントされた。New Balanceは、今回集めたデータを商品開発に生かし、トレンドを取り入れることが一般的となっているスニーカー業界で大きく逆転することを目指している。
話題のポイント
New Balanceは、ファッション・ウイークという多くの人が集まるイベントを利用し、アノマリー検知を用いた実験的なプロジェクトを行いました。
大量の生のデータを得るために、こうした取り組みを大手メーカーが行うのは、国内企業にはない革新的なやり方でしょう。
また、このような取り組みが行われることで、アパレルメーカーの在り方について変化の兆しを感じられそうです。
Image Credit : Youtube by New Balance
この調査で用いられたアノマリー検知とは、大量のデータから通常の行動パターンや正常なデータをモデル化し、リアルタイム処理でモデルと突合を行うことで、異常を検知するものです。
Image Credit : Youtube by New Balance
このように、形・色・模様をカメラが認識し、コーディネートを採点します。
New Balanceは、事前に大量のファッションデータを集め、一般的に流行っているファッションを定義した上で、大多数とは違った着こなしを検知できるこの機械学習を利用しました。
つまりこの調査は、おしゃれかどうかではなく、一般的に流行っているファッションとは違った着こなしを見つけるために行われたのです。
あえてトレンド(大多数の人のファッション)と違った着こなしを見つけることは、New Balanceにとってどんな目的があるのでしょうか。
Image Credit : Youtube by New Balance
New Balanceはこの取り組みについて、トレンドに埋もれない特別なファッションを探し出し、今後の商品開発に取り入れていくことをミッションにしています。
また同時に、この調査によって、大衆的なファッションを計測することにも繋がるので、収集されたデータがどのように使われていくかが今後注目していきたいポイントです。
どのようにこのデータを活用するにせよ、消費者のトレンドやファッションを「知る」ことは競合他社に対して大きな強みになり、今後の商品開発やマーケティングにおいて、重要な役割になっていくでしょう。
そして、この取り組みから分かるように、アパレルメーカーが作っていたトレンドを個人が追いかける時代から、個人が作ったトレンドをアパレルメーカーが追いかける時代が当たり前になりつつあります。
今後、海外の大手企業だけでなく、日本のアパレルメーカーからもこのような取り組みが行われるかもしれません。その時、どの企業が誰がトレンドを生み出していくのか、これからの動向に注目していきたいですね。