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レンズに通知が来るスマートグラス「Focals」、Alexa対応も実現


ニュースサマリ

2018年11月カナダのスマートグラス企業NorthAlexaと連携しているスマートグラスFocalsを発売した(日本は未発売)。Focalsはシンプルなデザインで一見すると普通のメガネにしか見えないが、スマホと連動してレンズ上にアプリ通知や天気、スケジュールを表示できる他、Alexaを利用してUberを呼ぶなどの音声操作ができる。また、スマートグラスは軽量で水に強く、最大18時間とバッテリー保持が長い。操作を行う指輪は最大3日間稼働が可能。

North’s Focals, Smart Glasses Designed For A Future Where Technology is Human-centric
via FashNerd


話題のポイント

このスマートグラスは、多くの機能を備えながらも日常に溶け込みやすいデザインである点が、他社のスマートグラスと比べて画期的だと言えるでしょう。

Image Credit : Youtube by North

スマートグラスやARグラスは、これまでGoogleIntelなどの大手企業も取り組んできました。しかし、一般に普及することなく開発中止になったり、成功事例と言われるものはまだ出てきていません。
その要因として、安全面やデザイン性の問題が大きく関係しているのではないでしょうか。

安全面に関しては、ウィンクの動作や音声操作により、デバイスに触ることなく写真や動画を撮影することができてしまい、プライバシー侵害につながる恐れがありました。
また、デザイン性に関しても、デバイスがレンズに装着されている見た目が、日常的に着用するには抵抗感のあるものだったと言えます。

Image Credit : North


一方、このスマートグラスは、プライバシーの問題を排除するためカメラ機能はついておらず、盗撮などの犯罪を助長する危険性はありません。

その上、デザイン性が非常に高く、日常的に使いやすいことが大きなポイントです。
プラスチックフレームを使用し、スマートグラスでありながらも60gという軽量化を実現。フレームやカラーを数種類から選択できるバリエーションの豊かさも、Focalsならではと言えるでしょう。

いかにもガジェットらしいスマートグラスではなく、一般的なメガネに近いデザインなので、ユーザーも比較的抵抗なく身につけることができるのではないでしょうか。

Image Credit : North

また、操作はメガネでは行わず、人差し指にはめる指輪「Loop」で操作する形になっています。Loopのボタンを操作することで、スマホと連動した予定、天気予報などを表示できるので、操作も自然に行うことができます。
テキストメッセージを音声で入力して送信したり、Alexaと連携させて音楽を流したりと、ハンズフリー機能も充実しています。

スマホを取り出さなくても、音声や指輪で操作できて時間やアプリ通知を確認できるので、手が塞がっている時や、時間のない時にもスムーズに使用することができます。


今後、例えばスマートグラス越しに見たものの情報が映し出されるようになる機能が付けば、欲しい商品の価格や情報をその場で知ることができるようになるかもしれません。
商品の情報を得ることは、購買意欲や商品に対する興味に繋がると言えます。スマートグラス上で在庫の確認や商品の購入が出来れば、消費者にとって買い物がもっと便利で身近なものになるのではないでしょうか。

また、目の動きを認識する機能なども追加されれば、目の動きでテキスト入力できるようになるなど、スマホより利便性が上回る時が来るかもしれません。

このスマートグラスの進化と普及が進めば、人々の消費行動にも変化をもたらすことができそうです。
フリック操作や言葉の必要もなく、情報を生活の中で自然と得ることができる未来も近いのではないでしょうか。

Image Credit : North

ウェアラブルデバイスは「身に付けたい」と思うほどファッショナブルなデザインでなければ、一般消費者へのスマートグラスの普及は難しいと言えます。
そういった意味で、Focalsはスマートグラスを普及させる第一歩を切り開くのではないでしょうか。


機械は持ち物ではなく身につけるもの、身につけるものから体の中に取り込むものとして進化する未来も、そう遠くないかもしれません。