インフルエンサーを利用して日本ブランドを世界発信するプラットフォーム「aoiShip」
近年、EC市場におけるソーシャルコマースは拡大しつづけている。いち早くEC機能を取り込んだInstagramだけでなく、以前紹介したTikTokのEC機能テスト導入など、その動きは加速している。
そのなかで鍵を握る存在が、インフルエンサーだ。インフルエンサーがプロダクトを紹介し、EC機能と連携することで、さらに市場を伸ばすことが期待される。
しかし、そもそもインフルエンサーと繋がることが難しい、小さなドメスティックブランドはどのようにしてインフルエンサーと繋がり、ユーザーを獲得できるのだろうか?今回はそんな課題を解決する可能性を持つ、マイクロインフルエンサー(フォローワーの少ないインフルエンサー)をECプラットフォームと結びつけるスタートアップaoiShip(アオイシップ)を紹介しよう。
スタートアップブートキャンプに選出
Image Credit : YouTube by Adam Boujida
aoiShipは、2018年に東京で設立されたスタートアップ企業だ。ニューヨーク出身のAdam Boujidaと、東京出身の伊藤和将により創業された。すでに注目は高く、世界のテックスタートアップが集まるStartupbootcampにて、1200以上の企業の中からファッションテック部門として選ばれたほどだ。企業が掲げるコンセプトは「From Japan to the World」(日本から世界へ)。日本のファッションを世界に伝えることに重点を置いている。
インフルエンサーを活用するプラットフォーム
Image Credit : aoiShip
最大の特徴は、マイクロインフルエンサーを活用する点だ。aoiShip内には、BlueBoost™と呼ばれるインフルエンサーグループがある。500人以上のフォロワーがいるInstagramアカウントを持っていれば、このネットワークに加入できる。そして、ネットワークに参入したインフルエンサーが購入した洋服をInstagramにポストし、その後、他のユーザーが真似て購入することで、インフルエンサーにBlueCoin™と呼ばれる報酬が入るという仕組みだ。
新進気鋭のドメスティックブランドと積極的に協力
Image Credit : aoiShip
aoiShipでは洋服だけでなく、バッグ、靴、ジュエリー、アクセサリー、時計の販売が可能だ。日本で活動するファッションブランドなら、どんな会社でも出品者になれる。すでに、「オトナのオンナのモードなキモノ」を掲げるKIIRO(キイロ)や、セントラル・セント・マーチンズ出身の小池俊介が手がけるko haction(コ・ハクション)など、日本の新進気鋭のブランドたちが参入を決めている。
aoiShip側では、ブランドに対してコスト削減の提言や、世界への市場展開、在庫管理などのサポートを行う。
他ECとの協同でさらなる円滑なネットワーク形成へ
aoiShipは、B2Bのビジネスも模索している。特許出願中のソーシャルメディアAPIを用いて、物流から製造までのサプライチェーンを最適化するのだという。この事業は、中国の大手ラグジュアリーECのSECOO(セクー)とも協定を予定している。日本で活躍するECプラットフォームとの連携にも関心があると、CEOのAdam Boujidaは述べている。
日本のブランドがaoiShipを通じて、そしてインフルエンサーを通じて、世界に発信されるのだ。それによって日本のファッションにどんな注目が集まるか、新たな価値が生み出されるのか、今後の展開にも注目だ。
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