たった1分で3Dスキャン計測、ニューバランスが提供するフィット感とは
自分の足の横幅、甲の高さ、左右の違い、などを把握している人はほとんどいないだろう。そのせいか、靴がフィットせずに靴ずれを起こした経験がある人も多いのではないだろうか。
こうした靴のフィット感の違いからくる問題を解決するため、ZOZOや伊勢丹をはじめとしたアパレル企業は、ユーザーの足を計測するサービス提供を開始している。
2019年6月より、大手スポーツメーカーのNew Balance(ニューバランス)も足の計測サービスを始めた。一部店舗で足の3Dスキャン、計測データからシューズをレコメンドするサービスを提供している。
Image Credit : YouTube by New Balance Japan
たった1分で3Dスキャンが可能に
3Dスキャンの方法は簡単だ。
店内にある3Dスキャンの台に乗り、約1分間待つだけ。4箇所に設置されたカメラで360度方向から足をスキャンされる。あっという間に足の縦横の長さ、甲の高さなどが測定され、店内のiPadに自分の足の形が立体的に表示される。
その後、iPadに表示されたデータを元に、店員が足の特徴やオススメのサイズを説明してくれる。例えば、足のサイズが左右で微妙に違うことや甲の高さが他の人と比べて低いことなど、3Dスキャンでしかわからないような情報が伝えられ、必要であればインソールがオススメされる。
3Dスキャンの計測データは紙か、デジタル状のデータとしてスマホに送ることも可能。足の3Dデータは自分で360度動かすこともできるので、家に帰ってからも詳細なデータを確認できる。
フィット感を追求してきたNew Balance
今回、3Dスキャンを取り入れたNew Balance。元々ブランドの始まりはアーチサポートインソールや矯正靴の製造というほど、フィット感を追求するブランドだ。
そのためNew Balanceは3Dスキャンに加え、ランニングフォームを元に適切なシューズをレコメンドするSTRIDE IDというサービスも行っている。
国内のファッションEC化率は年々上がっている中で、未だ2割にも満たない靴のEC化率。原因はやはりブランドによってサイズに微妙な違いがあるため、試着が重要視されることにあるようだ。
またサイズやフィット感といっても足の長さだけでなく、横幅、甲の高さ、接地の仕方など様々な要素が組み合わされている上に、ユーザーによって求めるものも違ってくるからだろう。
そうなると店舗ではいかに気軽に、ユーザーが思うフィット感を提供できるかが大事になってくる。その1つの手段としてテクノロジーをうまく活用したNew Balanceの取り組みは今後も注目だ。
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