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アンリアレイジ×東大、「六本木クロッシング2019展」で見せる最新テクノロジー

2019年2月9日から、東京・六本木の森美術館にて『六本木クロッシング2019展:つないでみる』が開催されている。
今回の展示のキーワードは「テクノロジーをつかってみる」「社会を観察してみる」「ふたつをつないでみる」の3つ。その中で、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、この展示の為に製作をした作品「A LIVE UN LIVE」を展示。

今回は実際にこの展示に足を運び、ANREALAGEとテクノロジーについて考えてみた。

Image Credit : ANREALAGE

六本木で展示しているのは、春夏秋冬それぞれの季節を象徴する花が施された洋服を着用している4体のマネキン。
服に施された花は、温度のコントロールで形状を変化し、温度を調整することにより咲いたりしぼんだりする。
さらにスマホでフラッシュ撮影をすると、服に施された花の彩りの変化を目で見ることができる、体験型の展示となっていた。

この技術は東京大学の川原研究室と新山研究グループが開発したもので、人の体温や日光の熱によって気化する“低沸点液体”を使ったパウチモーターと、再帰性反射素材を使用している。

Image Credit : ANREALAGE

ANREALAGEはこの他にも、過去にこのような最新テクノロジーを使ったコレクションを展開している。

Image Credit : YouTube by Fashionsnap.com

2016S/Sのコレクション「REFLECT」では、再帰性反射技術を使って「光を跳ね返し、新しい光を放つ。現実を跳ね返し、新しい現実をつくる」という世界観を発表した。ストロボなどの光を反射し一瞬にして色や柄が現れるという再帰性反射を応用した、特殊な素材を全アイテムに使用している。

Image Credit : YouTube by Fashionsnap.com

2017A/Wのコレクション「ROLL」では、彫刻家・名和晃平(SANDWICH)と協業し、3D技術を取り入れながら、ロボットアームテクノロジーを駆使し、彫刻と洋服の融合を試みた発表を行っていた。300メートルものデニム生地のロールから、1着を削り出すという斬新な取り組みは大きな話題となった。

こういったこれまでのテクノロジーの活用は、新しい服の見せ方、そして新しい服の作り方の探求という意味があるとデザイナーの森永氏は語っている。
テクノロジーを利便性という面で捉えるだけでなく、テクノロジーによる驚きや新たな面白さを探求し、服というかたちに落とし込むことを試みているのだ。
他にも、サカナクションや建築家など他業界の方とのコラボレーションなどを通じて、ファッションの面白さを幅広く伝えており、ファッションへの入り口や領域を拡張することに取り組んでいる。
また、継続的にパリコレクションでも発表し、ミュージアムでも扱われるなど高い評価を得ている。
ファッションにテクノロジーをどう取り込み、どう向き合っていくか、それを探求する先駆的な存在だと言えるだろう。


今後もANREALAGEはブランドコンセプトである、日常(A REAL)、非日常(UN REAL)、時代(AGE)のように、服を着るという日常的な体験の中で、どれだけ非日常的なファンタジーを描けるかを追求し、新たな価値観を生み出していくだろう。今後の活躍にも注目していきたい。


六本木クロッシング2019展:つないでみる
日程:2月9日~5月26日
会場:森美術館
開館時間:月・水~日曜日 10:00~22:00 / 火曜日 10:00~17:00


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