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マイクロソフトの技術で学生が提案する、新たなファッションテックの取り組み

Microsoftがファッションプロジェクトへの取り組みをしていることをご存知だろうか?
Microsoftの技術を使い、ファッション×テクノロジーの未来を模索するプログラム「Designing a new future for fashion」を行っている。


その一環で、昨年からLondon College of Fashionとコラボレーションし、今年も約3ヶ月におよぶファッションテックプロジェクトが行われた。

Image Credit :YouTube by Microsoft

このプロジェクトは、ファッション業界の未来を担う学生が、多くの問題を抱えるファッション産業を革新するために、新しい解決策を生み出すことを目的としている。
選ばれたグループの学生は、Fashion Innovation Agency(ファッションイノベーションエージェンシー)のサポートを受けながら、最先端のMicrosoftのテクノロジーを使ってプロジェクトを進めた。ビジネスとして可能性があり、先進的であると高い評価を受けた5つのファッションプロジェクトを紹介する。

Brick&Pixel

Image Credit : YouTube by Microsoft

Brick&Pixelは、KinectセンサーとRFIDタグ、鏡として機能する OLEDスクリーンを使用し、試着室で、試着している服に関する情報やブランドの歴史を提供するシステムだ。

Kinectとは、身体の動きや音声によって操作できるMicrosoftが発売したデバイス。センサーによって試着した人物の動きを認識する。
また、RFIDタグとは、電波を使って情報の引き出しや保管ができるシステム。ユーザーが試着室に持ってきた服を認識し、服の情報を提供する際に利用される。

Brick&Pixelは、服の機能やクオリティーをアピールするのではなく、ブランドのストーリーや世界観を伝え、ユーザーに満足度の高い体験をしてもらうことを目的として開発された。

E.M.I.

Image Credit : YouTube by Microsoft

E.M.I.は、MicrosoftのHoloLensを使用し、ジェスチャーコントロールだけで服のデザインをカスタマイズできるものだ。

HoloLensとは、Microsoft社が発売した頭に着用するホログラフィックコンピューティングデバイス。HoloLensの外部センサーにより、装着者と空間の位置情報を認識する。そして、ゴーグルから見える現実空間に3Dのコンピューターグラフィックスを重ね合わせることで、バーチャルな空間と融合した世界、MR(複合現実)を体験できるのだ。

E.M.I.では3DのデザインソフトウェアとHoloLensが連動している。ユーザーはHoloLensを使って現実空間の中に現れた3Dのデザイン映像を見ながら、自分好みの襟や生地を選択、リアルタイムで服をカスタマイズすることが可能だ。

SWAPP

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SWAPPは、Deep Fakeテクノロジーを使用し、ユーザーの顔とファッション広告の中に出てくるモデルとの顔を入れ替えることで、パーソナルなファッション体験ができるシステムだ。

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Image Credit : Microsoft

Deep FakeはAIと機械学習で、本物そっくりな偽動画を作成できる技術。SWAPPでは、20秒ユーザーの顔を録画するだけで、20分以内には高解析度の偽の広告コンテンツが作成できるという。
コンテンツは短編映画や広告、GIF形式をとり、ブランドの特定のスタイルとメッセージに合わせて調整されるようになっている。モデルと自分の顔が違いすぎるために、服が似合うかどうかわからないといった課題を解決するために開発された。

Art-Z

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Art-Zは、AIと機械学習を利用して、衣類の製作段階におけるデザイナーのパターンを分析、既存のデザインから廃棄される残布の量を予測するシステムだ。また予測データから、廃棄される残布をより少なくできるようなパターンデザインも提案

分析、予測にはMicrosoftのクラウド プラットフォームMicrosoft Azureが使用され、いずれは廃棄される布をゼロにすることを目指している。

Perfume Experiential Discovery


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Perfume Experiential Discovery は、HoloLensを使って香水の成分の世界観を体験することができるプラットフォームだ。
例えば、スパイスの香りの場合、トロピカルでモンスーンな雰囲気のアジアの風景をMRで体験できる。ユーザーは、香水の成分の起源や世界観を多感覚的に知り、楽しみながら香水を選ぶことができるのだ。
Perfume Experiential Discoveryは、香水だけではなく衣類やジュエリーなど、他の商品でも役に立つと考えられている。

ファッションテックが当たり前に

London College of Fashionの学生が発表したプロジェクトは、どれも創造性が高く革新的なものであった。
一方で、学生がこれからのファッション産業の未来を作っていくにも関わらず、日本ではファッションの学校とテック企業の取り組みはあまり進んでいないのが現状だ。

今後ファッションテックを盛り上げていくためには、今回のMicrosoftとLondon College of Fashionの取り組みのように、日本でも未来を担う若者とテック企業が協力し、新しい可能性を模索していくことも必要になってくるだろう。


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ZOZO研究所では、ファッションに関する研究を行っております。
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