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シタテル、ジントンを始め、進む無人化、アパレル業界の人員不足問題は解決するのか

消費者のニーズが多様化し、流行り廃りのサイクルも早くなっているアパレル業界。
労働集約型の生産から抜け出せず、ニーズに迅速に対応できないアパレル企業が増えている。また販売もアパレル店員の人員不足が叫ばれるが、あくまで人に頼らざるを得ないのが現状だ。

しかし、最近ではその現状にテクノロジーを活用し、アパレル産業の工場や店舗などの現場業務を効率化させようという動きがある。
今回は生産工場や配送、店舗など現場の業務に着目したファッションテックの施策を紹介する。

1.SEWBOT

Image Credit : Youtube by SEWBOT

アメリカのロボットベンチャーであるSoftWear Automation(ソフトウェアオートメーション)は衣料品製造の完全自動化ロボットSEWBOT(ソーボット)を開発。Tシャツ、ジーンズなどの裁断から縫製の完全自動化に成功している。
SEWBOTではカメラを使用して柔らかい生地をマッピング、ロボットを操作することで生地の裁断、縫製を行う。完全にシステムが機能すると22秒で1枚のTシャツを作成でき、90%の労働力を削減できるという

SEWBOTは既にadidasの中国のOEM企業Tianyuan Garments Companyに取り入れられており、Tシャツ向けの工場をアメリカに建設。1日あたり80万枚のTシャツを生産している。このように、IoTやロボットを活用して省人化を進めることで消費地に近い所で製品を生産できるようになるのだ。

2.sitateru

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Image Credit : sitateru

国内のアパレル産業は中小企業が多い上にサプライチェーンが分断されていることから効率的な連携や情報共有が難しいという問題点がある。そこに目をつけたのがsitateru(シタテル)だ。
sitateruは生産のインフラを必要とするクリエイターと技術力の高い縫製工場を繋ぐデジタルプラットフォームを構築。営業力が低かったり職人気質であったりする工場の人と感覚で話しがちなクリエイターをうまく繋ぎあわせることで、できるだけ無駄な人員を介さずに効率的に商品を生産できる体制を構築している。

既にBEAMSに商品を卸すブランドやパリコレに参加するハイブランドまで1万3,000社以上が利用。
sitateruは工場のアイテムの得意不得意によって点数化し、データベースを構築することで、クリエイターと最適な工場の正確なマッチングをしている。

sitateruを活用したことで生産コストが15%が下がった例も出ている他、小ロットでの生産も可能になったことで、より細分化している消費者のニーズに対応できるようになっている。

3.京東物流

企画、製造だけではなく配送も無人化が進んでいる。
2004年に設立された中国第2位の総合型ECサイト京東商城(ジンドン/JD.com)は無人倉庫、無人配送を実現するためにドローンやロボットなどの活用も開始している。

2017年10月には世界で初めて2Cで無人倉庫を導入し、入庫や検品から梱包、仕分け、出庫までの全行程のスマート化を実現、2017にはドローンによる物流を開始している。

Image Credit : Youtube by 朝日新聞社

2018年には自動配送ロボットも使用を開始。ラストワンマイルまで無人で荷物を届けられるようにすることで、人員不足、イベントやセール時の急な需要の増加に対応して商品を届けられるようなっている。

4.hotel koe tokyo

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Image Credit : hotel koe tokyo

Amazon Goで有名になった無人店舗だが、2019年2月には無人のアパレルショップhotel koe tokyo(ホテルコエトーキョー)がオープンした。1階はレストラン&イベントスペース、2階はアパレル&雑貨ショップ、3階はホテルとライフスタイルをトータルに提案する店舗の中で、2階のアパレルショップは21~23時の2時間は無人店舗で運営されている。

スマートレジを利用することで無人店舗を実現。無人店舗にすることで、遅い時間を利用したいユーザーのニーズを叶えながらも効率的な店舗運営をしているという。

5.Hointer

Image Credit : Youtube by Hointer

Amazonのサプライチェーンの技術部門のトップが創設したHointer(ホインター)はアパレル部門の全自動化ソリューションを提供している。

Hointerを使用している店舗には店員がいないが、商品毎にQRコードがついている。そのQRコードをHointerのアプリで読み取ると商品情報やレビューを確認したり、購入したりすることが可能だ。また試着室とHointerのアプリが連携しており、アプリで気になった商品の試着ボタンを押すとその商品が自動的に試着室に送られる仕組みになっている。サイズが合わなくても手元のスマホや試着室の画面を操作するだけで欲しいサイズの商品が送られてくるから驚きだ。

このHointerのサービスを用いることによって店のスペースや人件費をカットでき大きなコストカットに繋がっているという。

Hointerの店舗はシアトル、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シンガポールなど様々なところに出店しているだけでなく、アメリカの有名百貨店Macy’sでもサービスを提供している。

人がいない工場と店舗へ

消費者ニーズが多様化している一方で、人員不足が叫ばれるアパレル産業。
アパレルの各工程を自動化するには、ロボットが布など柔らかいものを扱かわないといけない。更に店舗でもそれぞれの顧客にあわせて感覚的なファッションを伝えないといけない難しさがある。それを乗り越えるテクノロジーが次々と開発されてきているのだ。

店舗での売上が重要であった時代は終わり、更に体験やマインドにコミットしていかなければいけない時代へ。テクノロジーの導入で人員問題をクリアし、店舗での体験や倉庫での作業効率化を目的とし、人がいない工場、人がいない店舗へと向けて業界全体の変革が迫られる。

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ZOZO研究所では、ファッションに関する研究を行っております。
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