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ZOZOMAT「6万回・5000時間以上かけて開発」された、その秘話を公開!(後編)

ZOZOMATが誕生するまでの過程には製作サイドのさまざまな苦悩があった……。ということで、ZOZOMAT開発の裏側に迫るインタビュー後半です。今回も前回に引き続き、ZOZOMATの開発を牽引してきた株式会社ZOZO想像戦略室の計測プロジェクト・家田敢に開発秘話を聞きました。

内寸を測らない方法は会議でのジャストアイデアから

――ズバリ開発に関しての裏話などはありますか?

実は開発チームが内寸を測らない方法へ舵を切ったのは打ち合わせ会議中の何気ない一言からでした。「内寸を測らずにできないのかな?」という話から、じゃあ皆で試してみようという感じで検証していったら、内寸を測らない方法が実際に理にかなっていたんです。もちろん、会議では様々な人が思いつきで違うアイデアを話すので振り回されたりもしましたが(笑)今考えると、それがトライアンドエラーの繰り返しになっていて、クリエイティブなものが生まれるいい環境になっていた気がします。

――ZOZOMATのネーミングに関して他に候補はあったのでしょうか?

足に関することなので「ZOZOFOOT」とかいろいろ候補はありましたけど、基本的に“足型を計測するツール”ということで、その形状から一番しっくりくるだろうということで、このネーミングになりました。はじめから床に置いて足を計測するものというある程度の“カタチ”があったし、同じ柄(MATに施されたドットマーカー)であれば、紙でもなんでも計測できるから素材の名前を使うこともないので、意外にすんなり決まりましたね。

ZOZOMATでは参考になるデータがたくさん採れる!

――足型を計測するためにはこのドットマーカー(柄)が重要なんですね。

そうなんです。ZOZOSUITの時にも登場したこのドットマーカーが重要で、ZOZOSUITで蓄積した技術の一部を活用していたりもします。

――今はどれぐらいの精度で足型を計測できるんですか?

理想的な環境・条件下という注釈は尽きますが、3次元のレーザースキャナで作った3Dの足型と比べて、3D比較での平均誤差が"1.4mm"という高い精度を誇っています。もちろんちゃんとした条件下で計測していない(直射日光で陰影がつきすぎる)とか、端末が古い(カメラで計測するので端末のカメラが古い)と、正確なデータが取れないことがあるので、そこは注意してもらいたいですね。

――正直"自分のサイズと全然違う"というユーザーからの声も聞かれたりしますか?

そんなに多くはないですけど、誤差はありますからね。ただ、いつも履いているシューズのサイズが足のサイズだと勘違いしている人もいるので、そこは誤解しないようにしてほしいですね。今まで足のサイズを測ったことがない人は、計測で出てきたデータが思ったよりも自分のシューズのサイズより小さかったりするので面食らう人も多いようです。
日本人の足型は「幅広甲高」といわれていますが、データを採っていくと若い世代ほどそのセオリーに当てはまらなくなっているのは面白いと思います。

今後の課題は「ZOZOMAT対応」を増やしていくこと

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――今後の動きとして構想していることはありますか?

現在はスニーカーや革靴、パンプスがメインになっていますが、例えばランニングとかスポーツの競技用のシューズも、このZOZOMATが活用できるようになってほしいですね。これからの命題としてはZOZOMAT対応のシューズを増やしていくこと。ガシガシデータを採って、対応するシューズを増やしていきたいです。

また“ユーザーの好み”を反映できる仕組みも構築していきたいとも考えています。現状は平均的なユーザーの履き方が推奨されるのですが、実は男性のスタイリング傾向に多い、服とのバランスを考えて“もう少し大きなサイズを履きたい”という方も少数存在します。そういった嗜好の人たちにも寄り添える仕組みを作り出していければなと思っています。

――現在、15歳以下は相性度が表示されませんが、今後、キッズ向けなども考えていますか?

そうですね。現在、15歳以下は足の計測はできますが、相性度は表示されません。まずは、その対象年齢を下げられるように開発していきたいと思います。また、理想としては小さい子供まで対応できるようにシステムを整備していきたいと考えています。

――今後の課題は?

現在、サービスがスタートしてから93万人以上のユーザーにZOZOMATを使って計測していただいております。ZOZOMAT自体も119万枚以上をご注文いただいているので、ここで一回そのデータを元に再度検証を重ねていって精度を高めていくのが直近の課題です。今はスニーカー、革靴、女性のパンプスに対応していますが、夏はサンダル、冬はブーツというようにさまざまなシューズに対応していくように拡大していくのもひとつのポイントかな……と。

また今は既製品との相性度なので、既製品のフォーマットに合わない特殊な足型の人は相性度が上がりません。だからこそ、この足型のデータを元にブランドさんと協業していければと、個人的には考えています。

今回得たデータは、日本人の定量的な足型のデータとして、とても貴重な情報だと思います。ゆくゆくは、このデータを元にシューズブランドと共同開発できる環境になっていけばいいなと思うのです。シューズブランドの皆様、お声がけお待ちしております(笑)。もちろん“テックライセンス”としてこのZOZOMATを活用していただくのもアリです。

とにかく理想は、試着ができないネット通販でもちゃんとしたサイズやフィッティングでシューズが買えることなので、そこはデータを検証して精度を高めていくのみですね。

ーーありがとうございました!

様々な課題を乗り越えて出来上がったZOZOMAT、興味がある方はぜひこちらからオーダーしてください。今度は開発エンジニアチームに話を聞きたいと思います。お楽しみに!


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TEXT by YASUYUKI USHIJIMA

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