見出し画像

スタイリングサービス「Dia & Co」、長期的に活用されるサブスクを考える

Stitch Fix(スティッチフィックス)など、スタイリストやAIによってパーソナライズ提案されたファッションアイテムを届ける、サブスクリプションサービスが続々と登場している。今回紹介するのは、主にプラスサイズの女性に向けたスタイリングサービス「Dia & Co

画像6

Image Credit : Dia & Co

矢野経済研究所が行った2018年度の調査によると、サブスクリプションサービスの市場規模は、日本国内でも2018年時点で約5,627億円。2023年には約8,623億円まで拡大すると予想されている。こういったサブスクリプションサービスは、ユーザーから着実に利用料を集めることができる一方で、ユーザーの期待に外れると、簡単に返品や解約されてしまう

今回はDia & Coの使い方や特徴を紹介するとともに、こういったサブスクリプションサービスの課題に対する取り組みについて考えていこう。

Dia & Coとは?

画像2

Image Credit : Dia & Co

Dia & Coは、ユーザーのサイズや好みに合ったファッションアイテムを届ける、サブスクリプションサービス。ボックスの種類は、好みのスタイルアイテムが用意される「Style Box(スタイルボックス)」と、アクティブウェアが用意される「Active Box(アクティブボックス)」の2つ。届く頻度は2〜3週間ごと、毎月、隔月、1度限りと選択できる。

ユーザーはまず、所要時間30秒程度の質問に回答。内容は、身体のサイズやヒップとバストのバランス、普段服を着るときに起こる問題点、好きな系統、好きなブランド、服にかける費用などだ。

次に、ユーザー自身がボックスに最大3アイテムを追加可能。もしくは、ショップページやブログに掲載されている好みのアイテムにピンを打つことで、質問の回答とあわせて、スタイリストがユーザーの好みを把握。予算に合ったアイテムを用意、自宅には5アイテムが届く。

画像6

Image Credit : Dia & Co

ボディポジティブにファッションを楽しむことを応援

画像5

Image Credit : Dia & Co

Dia & Coは2015年、自分も洋服をサイズ探しに苦労した経験があるNadia Boujarwah氏が、プラスサイズの女性が個性を受け入れ、ファッションを楽しめるようにと創業した。

サイズ展開が幅広く、Size14〜32まで選択できる。プラスサイズの女性も活用できるパーソナルスタイリングサービスは多くはないなか、店頭でもサイズが見つかりにくい人にとって便利なサービスだ。

画像6

Image Credit : Dia & Co

また単純なサイズ規格だけでなく、ヒップとバストのバランス、着こなしの細かいこだわりも伝えることができるため、より自分の体型に合った服を楽しむことが可能になる。

Dia & Coはさらに、プラスサイズのセレブリティに関する情報、ユーザーの着こなし、ライフスタイルを積極的に発信。

ボディポジティブにファッションを楽しむコミュニティづくりに貢献することで、長期的な視点で顧客と友好な関係を構築することを可能に。簡単に解約されないサブスクリプションサービスにしていくためには、ユーザーとの深い関係を結び、コミュニティをつくっていくのは有効な手段だろう。

顧客のニーズに柔軟に応えるサービス設計

画像6

Image Credit : Dia & Co

既存のスタイリングサービスでは、AIやスタイリストがすべてのアイテムを選ぶのに対し、Dia & Coではユーザーが3つまでアイテムを選ぶことが可能だ

綿密な調査や経験豊富なスタイリストが選んでも、品質やデザイン、サイズのすべての面でユーザーを納得させるのは難しく、サービス契約の継続、そして届いた商品を実際に購入するハードルは高い。事前にユーザー自身に一部を選ばせる仕組みは、確実に望まれるものを届けることができ、好みもより正確に把握できるため、購入されるアイテムを少しでも増やすことに繋がるのだ。

また、この仕組みによって、Dia & Coをスタイリングサービスというよりも、Amazon「Prime Wardrobe(プライムワードローブ)」のような試着サービスとして使うことも可能になる。この利用スタイルの自由度も、サブスクリプションサービスとして長く利用してもらうために、重要な要素となるだろう。

サブスクリプションサービスの課題に対し、様々な工夫を盛り込んだDia & Coのサービス。長期的にユーザーに愛されるサービスとなれるのか、今後も注目していきたい。


ーーー

ZOZO研究所では、ファッションに関する研究を行っております。
ZOZO研究所に関してはこちら