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Xenomaが示すスマートアパレルの未来、CES 2020で一般消費者向けプロダクトを発表(前編)

東大発スタートアップであるスマートアパレル企業Xenoma(ゼノマ)は、CES 2020でスマートパジャマ「e-skin Sleep & Lounge」を発表、CES 2020イノベーションアワードを受賞しました。今回は、Xenomaの歴代のプロダクトを紹介して頂いたうえで、研究開発の裏側や、今回の一般消費者向けプロダクト展開の意図をお聞きしました。Xenomaの考えるスマートアパレルの未来とは、今後のさらなる戦略とは、CEOの網盛一郎氏にお話を伺いました。

Xenomaの歴代のプロダクト

インタビューに先立ち、今回CES 2020で発表されたものを含む、Xenomaのプロダクトを4点ご紹介頂きました。センサーを組み込んだスマートアパレル「e-skin」を、様々な分野で展開してきたXenoma。衣服としての優れた快適性や耐久性も兼ね備えていることから、スマートアパレルシーンを先導する企業として注目されています。

まず、今回のCES 2020で発表された最新作、スマートパジャマe-skin Sleep & Loungeは高齢者の健康を見守るスマートアパレルです。通常のパジャマと変わらない外見ですが、着用者の日常生活を追跡し、睡眠や活動の状態や転倒の検出が可能になります。腹部に帯状の回路があり、ポケットに通信機能を行うデバイスを装着することによって機能します。IoTと連携し、衣服内温度に合わせてエアコンを自動的に調整するなどの機能も実装される予定です。

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同じく今回発表された「e-skin EMStyle」は、電流を流し筋肉を収縮させるスーツ。このスーツを着ながら、軽い運動を20分もすればハードなトレーニングにもなるといいます。ケーブルレスで、生地も薄く着心地も良いEMSスーツです。初期はスポーツジムで会員に貸し出すモデルを考えているといいます。1つのコントロールパネルで複数のスーツを管理できます。

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また今回、Xenomaが初めて発表したプロダクトもご紹介頂きました。「e-skin DK」は配線デザインが未来的なスーツ。14の歪センサーがスーツの前後に付いており、服の伸縮から関節の動きなどの体の動きを捉えることができます。シャツについているハブによって、Bluetoothで情報を受信することができます。

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そして「e-skin MEVA」は、ドイツの研究センターから派生したチーム「sci-track」との共同開発から生まれた次世代型モーションキャプチャーシステム。カメラが不要のモーションキャプチャーシステムで、着用からわずか30秒で測定を開始し、着用者の自然な動きを捉えられます。その動きは3Dアニメーション化し、リアルタイムでモニタリングすることも可能です。網盛氏によると、病院からの購入が多く、理学療法士がリハビリの成果をみたり、高齢者の歩行特徴を確認したり、またスポーツ選手のトレーニングにも使われているそうです。

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これらの他にも幼児用の「e-skin Coo」や、腕部分の「e-skin Arm Sleeve」など、数々の作品を世に送り出してきたXenoma。しかし今回のe-skin Sleep & Loungeは、Xenomaのこれまでのプロダクトとは一見異なる方向性にあるBtoCのプロダクトです。まず初めに、その開発の意図と戦略、開発体制について詳しくお話を伺いました。

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Xenomaにとってのスマートアパレル

ーー今回、一般消費者向けの初めてのプロダクトですね。ウェアラブルデバイスと呼ばれる部分で、どのような立ち位置を狙っているのでしょうか?
今後も最初のe-skinのように、ゲームとのコラボレーションを進めていくと思っていましたが、一般家庭に流通するアパレル製品を目指していくのでしょうか?

実は、僕らはあんまり路線自体は変えておらず、単純に初期の頃と今とでは、僕らの世の中に対する認知度や会社の体力が違っていて、見せる部分が変わってきたのだと思います。

僕らが一貫して言っているのは、服は全身を覆っている。そもそも服はウェアラブルじゃなくてウェア、ネアンデルタール人ぐらいから人間にとっては最も普通で、むしろないと困るぐらいのデバイスでした。そんな服の上にセンサーをつければ、体の表面を覆うには最適ですよね。だから服をセンサーにするんです。

でも、それを着て、例えばスタートレックの乗組員だったりアイアンマンみたいになってしまったら、これはまたディストピアです。最終的には着心地が良くて、普通の服にならなければいけないというのは、最初からずっと掲げています。僕らはwhole body sensingをbeyond wearableにする。日常使いができて、洗濯もできるデイリーユースで、最終的にはヘルスケアビッグデータを作る、この3つを常に自分たちのソリューションだと言ってます。

最初から、どんなメーカーかわからないXenomaという会社がパジャマを置いてたら、それはパジャマ屋さんにしか見えません。PR 的にもいけてない、実際のところパジャマは僕らから言うとローテクの部類に入るので。一番最初は旗を立てるためにも、センサーの数もこれでもかとたくさん入れて、せっかくだから目立ってやろうと未来的なデザインに寄せて、なおかつ分かりやすくゲームとかVRとか、当時の文脈に合ったものを立てました。その後はむしろ、デザインは世代を追うごとに徐々におとなしくなっていきました。

ーー確かにそうですね、スマートアパレルがぐっと身近になってきているように感じます。

今年は初めて、みなさんが日常生活のなかで普通に使うことをイメージできるように、かなり意識的に移行しました。その代表格がスマートパジャマ、e-skin Sleep & Lounge に関しては、見た目も一般的なパジャマです。e-skin EMStyleも、ウェアだけだとスウェットスーツにしか見えない。これは実際には上に、普通のランニングウェアとかヨガウェアをコーディネートして着たら、完全に普通のフィットネスウェアのように見えます。

そういった風に、日常的に使えますよというのを伝えたかった。要するに、普通の日常のコーディネートを完全に意識して作っているんです。なので、狙いを変えたと言うよりかは、やっと僕らがここまで来たという感じだと思います。

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研究開発とデザイン

ーー様々な製品開発を行なっているXenomaですが、研究開発、そしてデザインの部分を担うチームはどういった体制なのでしょうか?

トータルでは39人なのですが、そのうちデザインと名乗る人が全部で9人います。

ーーすごく多いですね。

そうですね。全体の1/4ぐらいがデザイナーです。プロダクトデザイン系が2人とグラフィックもやっている担当もいますが、それ以外の9人中7人が広義にはアパレルの出身です。アントワープ王立芸術アカデミー出身者もいれば、文化服装学院など国内の専門学校出身者もいます。
ハードウェアとソフトウェアは実はあまりおらず、足しても5人しかいないんですよ。

ーーデザインの担当者の方が多いとは、意外です。

そうなんですよ。よくみなさんは、ソフトウェアエンジニアやハードウェアエンジニアが多いと思っていらっしゃいますね。あとは僕らの場合、データを使ったサービスが多いのでデータサイエンティストや、生産もいます。生産も実は、大手の製造メーカー出身もいるので、割と純粋にアパレルっぽい会社ですね。


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