TikTokがEC機能をテスト導入、勢いを増すソーシャルコマースの波。
若者を中心に人気の動画アプリTikTokは、一部ユーザーに対し、EC機能のテストを開始した。リリースからわずか3年でダウンロード数が約15億回を突破したTikTok、今や一般ユーザーのみならず、ファッション企業やインフルエンサーも利用する一大プラットフォームだ。
そんなTikTokによるEC機能導入は、どのような影響を与えるのだろうか。近年増加しているソーシャルコマースやファッションの観点から、TikTokのEC機能について考えてみよう。
TikTokによるEC機能導入の詳細
Image Credit : TikTok
TikTokが導入テストを開始するのは、ユーザーが投稿した動画コンテンツから、ショッピングサイトに飛べる機能。現在、一部のユーザーに限定的に提供されている。また、プロフィールページにECサイトのリンクを貼ることも可能になった。
これらの機能は、アプリ体験を向上させる実験であるとのこと。同様の機能は、すでに同アプリ中国版のTikTok Douyin(TikTokドウイン)で導入されており、現在は6万人以上のユーザーが投稿コンテンツにショッピングカートボタンを組み込める。
Alibabaをはじめ、多くのユーザーがこの機能を活用した結果、1日で10万アイテムを販売、約3000万ドル(約32億円)を売り上げたと発表されている。
ソーシャルコマースの可能性
現在、世界規模でSNS利用者数は増加し、EC市場は拡大し続けている。トレンダーズ株式会社が10~40代の女性829名を対象に行なった「SNS利用と消費行動に関する調査」によると、約50%の女性がSNSを見て商品を購入したことがあると回答している。
Image Credit : WhatsApp Business
このような状況を受けて、いち早くEC機能の拡大に動いたInstagramをはじめ、SNSにEC機能をつけたサービスが増えている。
例えば、Facebook傘下であるWhatsAppのビジネスオーナー向けアプリ、WhatsApp Businessはカタログ機能を導入。この機能は、WhatsApp Business上で販売企業側が商品の詳細や価格などを紹介できるもの。顧客はウェブページに飛ばずに、商品について知ることができる。同アプリは現在、約500万もの企業に採用されいる。
ファッション × ソーシャルコマース
Image Credit : TikTok
以前の記事でも、ファッション企業がTikTokに注目していることを紹介した。今や、ファッションブランドやファッション誌が、キャンペーンや商品紹介などにTikTokを活用している。
また、毎日の着まわしコーディネートといった、ファッションに関する情報発信をする人気ユーザーも続々と登場している。若い世代からの支持を獲得するために、すでに重要なプラットフォームになっているのだ。
そのようなTikTokでのEC機能の導入は、SNSを見ながら商品を購入するという消費の仕方を、さらに加速させるだろう。
その結果、Instagram、TikTok、YouTubeなど、各SNSがどのように使い分けされていくのだろうか。ファッション領域におけるソーシャルコマースの広がりに、今後も注目していきたい。
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