ショッピングでのコミュニケーションに注目、SNS×スタイリングサービス「Flip Fit」
オンラインスタイリングアプリ「Flip Fit(フリップフィット)」をご存知だろうか。Flip Fitは、ユーザー同士が交流しながら商品を選び、自宅で試着することができる。InstagramのようなSNSと、Stitch Fixのようなパーソナルスタイリングサービスを掛け合わせた新サービスとして、注目されている。
今回は、Flip Fitの使い方と戦略、注目のポイントについて紹介していく。
Flip Fitの使い方
Image Credit : Flip Fit
使い方はまず、Flip Profile(フリッププロフィール)に好みのテイストやサイズといった、ユーザー情報を登録。次に、他のユーザーが投稿したアイテムに投票する。その後、お気に入りアイテムの類似商品や、スタイリストがFlip Profileを元に提案したアイテムをリクエストすると、6〜10アイテムが入ったボックスが自宅に届く。
届いたアイテムの試着写真をアプリにアップロードすると、アプリ上で繋がっている友人や他のユーザーからフィードバックを受けることができる。気に入ればそのまま購入し、購入しないアイテムは無料で返品できる。アイテム数は服や靴、アクセサリーなど全5,000種類でJ Brand(ジェーブランド)やEDWIN(エドウィン)を含む約500ブランドが登録している。
Image Credit : Flip Fit
特徴的な仕組みの1つが、アプリ上で稼いだお金で服を購入できる点だ。友人を招待すると1人につき10ドル、他ユーザーを評価すると1ドル、1日あたり最大15ドルを獲得できる。他のユーザーの試着写真を閲覧しながらお金を稼ぐことができるのだ。
ユーザー体験としては、TikTokやSnapchatに近い。公開フィードにも、また友人限定の非公開フィードにもできるようになっている。
FlipFitの戦略
Image Credit : Flip Fit
Filip Fitは、販売商品のキャッシュから33%を得る。出荷と返品の送料を負担するため費用がかさむが、返送用伝票を予めボックスに入れるなど、返品プロセスをシームレスに行えるよう工夫されている。
返品を購入と同じくらい容易にすることで、廃棄されたり、クローゼットに眠ったままになる衣服を減らすことが狙いだ。
また、ユーザー数拡大の鍵を握るのがインフルエンサーだ。Flip Fitでは約3ヶ月間で500人程度のインフルエンサーを起用、SNSを通じてアプリでの投票を促す予定だ。インフルエンサーたちは代わりに、月2回アプリで利用できる150ドルを受け取るか、フォロワー数に応じて有料スポンサーと契約できる。
実店舗の体験に着目
Flip Fitは、ECの登場によって失われつつある、ショッピングの社会的側面に注目している。実店舗での購入では、一緒に買い物している家族や友人、店員からのアドバイスを参考に選ぶことできた。しかし、ECの購入が増えると、他人からファッションに関するアドバイスを受ける機会が減る。
Flip Fitはユーザー同士でコミュニケーションを取れる、InstagramのようなSNSの要素を取り入れることで、オフラインでしか不可能だったショッピングをめぐるコミュニケーションを、オンライン上で実現させたのだ。
服の購入は、自分に似合うか不安に思うことも多いだろう。友人だけでなく、見知らぬユーザーにも公開できるので、より客観的なフィードバックを得ることが可能に。そしてユーザー同士でのコミュニティができることで、そこから新たなトレンドが登場するかもしれない。
オンラインでのショッピング体験のアップデートを試みるFlip Fit、今後のユーザーの反応にも注目だ。
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