ファーフェッチが古着の取扱いをスタート。なぜ中古市場は広がっていくのか。
Farfetch(ファーフェッチ)は2019年5月13日、中古の高級ブランドのカバンを買い取るパイロットプロジェクト「Farfetch Second Life」を発表した。
Image Credit : Farfetch
ユーザーは売りたい商品の画像をアップロードすると、査定価格が2営業日以内に届く。査定価格に納得したユーザーはカバンを無料で配送することで、引き換えにFarfetchでの支払いに使用できるクレジットが手に入る。
Farfetch Second Lifeは香港のリセール業者Upteamと共同で立ち上げたもの。利用できる国はイギリスを中心とした一部のヨーロッパ諸国のみだ。
Farfetchが中古市場に携わる理由とは
Farfetchはどうして中古市場に乗り出したのだろうか。その背景には中古市場の目覚ましいほどの成長があるだろう。
ThredUpの2019年の中古市場に関する調査によると、中古市場は急速に成長しており今後5年間で2倍の510億ドル(日本円で約5兆6千億円)に達すると見込まれている。
また2028年には中古市場はファストファッションの市場を超え、ファストファッション市場の1.5倍の規模まで拡大。それまでに、中古アイテムは人々のクローゼットの平均13%を占めるそうだ。
日本でも、メルカリが発表した「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査で、人々の中古品への抵抗感が減少し、利用頻度は増加していることが報告された。
このことから世界的にファショントレンドがファストファッションから中古ファッションへと変化していることがわかるだろう。今回のFarfetchの施策もそうした中古ファッションへの需要に対応したものだ。
Image Credit : Farfetch
高級ブランドと中古市場
Farfetchのような高級ブランドを扱うECが中古市場に携わると、市場が大きく変化する可能性がある。
メルカリの調査によると、新品を購入する時にリセールバリューを考える人の増加が報告されており、売ることを前提に買い物をする人が増えている。
そして、リセールバリューを意識することで購入単価があがった結果もあることから、中古市場が拡大するにつれて高級ブランドの需要は増えていくだろう。
また、高級ブランドはインスタ映えを狙ったワンショット消費とも相性が良い。
これらのことからFarfetchが中古市場に乗り出すことは大きな市場の変化が期待できる。
今回の取り組みがスケールすれば、カバンだけでなく衣服の取扱いも開始するだろう。
サステイナビリティの高まりと共に市場が大きく拡大している中古市場。そこに大手高級ブランドを扱うECが参加するとどんな変化が起こるのか今度も見逃せない。
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