スマホで色や柄を変えられる服、日常への普及は可能か?ー最新技術の利便性と課題点
Change your fashion on the fly from Future smart clothes could pack serious gadgetry
via Science News
ニュースサマリ
2018年の4月4日のMaterials Research Societyにてセントラルフロリダ大学で光学とフォトニクスを研究しているJoshua Kaufmanが、着用者しか感じらないような微妙な温度の変化によって色が変わる糸を発表した。その糸からできた服は模様もスマホから変えることができ、無地やストライブ、チェックなどの選択肢がある。
同じくセントラルフロリダ大学の光学・フォトニクス研究者のAyman Abouraddyによるとこの糸でできた服は1、2年で買えるようになるという。
話題のポイント
この糸の特徴はスマホで模様が変えられること、温度変化に対応して色が変わることでしょう。
まずスマホで模様が変えられる技術に関しては、以前からあった「自動車の模様をスマホから変える」という話が服に来るのは自然な流れでしょう。
この技術が普及すれば、模様のデータをオンラインで注文してそれを服に反映させ購入という流れが一般的になるかもしれません。
もしそれが実現した場合、服のコーディネートを考えるのがめんどくさい人にとっては、ただ服を着て外出し、TPOにあわせてその場で服の柄を変えることも可能になります。
また、例えば外出先でコーヒーをこぼしたとしても、瞬時に服の色を変えて目立たなくすることもできるかもしれません。
リアルアバターの一歩手前の世界観と言えます。
ビジネス的な側面からみると、Google playやApple storeの様に模様のオンライン販売プラットフォームができる可能性が高いです。
そこのプラットフォームを運営するのはIT企業かアパレル企業か、はたまた全く違った業種か、どういった会社が運営するかによって大きくファッション業界も変わるかもしれません。
一方で温度変化に対応して色が変わることに関しては、外部の温度変化をどこまで防げるのかが気になるポイントです。
例えば、予定に遅刻しそうになり、走った際に体温が上昇し服の模様が変わってしまうのは不本意でしょう。
またカバンであれば腕が触れている箇所の温度はどうしても上がってしまうため、そこの模様だけが変わってしまうことが考えられます。
イメージとしてはこの商品のように、色が部位によって変化してしまうでしょう。
Image Credit:Youtube by Stone Island
※既に他社で販売済みのもの。
おしゃれと捉えるのか、不本意なカラーリングと捉えるのかどうか着用者によって捉え方が変わるでしょう。
このような最新のファッションテック技術には利便性もある反面、まだまだ課題点や問題点があります。どうすればこの最新技術を一般市場に落とし込み一般消費者に普及させられるかが各企業の課題となりそうです。