ファッション版Airbnb?個人間レンタルサービスHURR collective

ファッション業界でも浸透してきたシェアリングサービス。しかしほとんどのファッション系シェアリングサービスはB2Cだ。そんな中、ファッション業界のAirbnb(エアビーアンドビー)ともいうような個人間のファッションレンタルサービスが登場した。

イギリスで初めてのファッションC2Cレンタルサービス「HURR Collective」は在庫を所有しておらず、個人間で服の貸し借りをするプラットフォームを提供している。個人間のレンタルがある度に15%の手数料を得て、収益を獲得するビジネスモデルだ。

Image Credit : HURR collective

HURR Collectiveの使い方は簡単だ。
メルカリのように、貸したいファッションアイテムをアップロードして、借り手とマッチングすると取引がスタート。事前に貸し手と借り手はチャットをすることができ、直接会うか配送(連携している配送業者もあり)でファッションアイテムを貸すことができる。その後借し手は28日間までレンタルすることができ、借りた時と同じ様に直接会うか配送で返却する。その後お金を払い、お互いにレビューをして取引が終了だ。

HURR Collectiveの特徴的なところはユーザーになる為に審査がいるクローズドなサービスであること、そして個人間のレンタルサービスの障壁を克服する解決策が緻密に考え抜かれていることだろう。

個人間取引である不安を解消

レンタルサービスが個人間の取引の場合、B2Cである場合とどういった違いがあるだろうか。

メリットとしては、借りる場所を選択できるために、旅行など外出時に服を持っていく必要がなくなることだろう。B2Cの場合基本的には家で服を借りて保管する必要があるが、個人間だと服を出先で借りることが可能だ。そのため旅行先、営業先、少し高いお店に行く時など、その場で服を借りて、その場で服を返すこともできる。
また、値段をユーザー間で交渉できることや、運営会社側としては在庫を持つ必要がないことも魅力的だろう。

一方デメリットとしてはサイズやバリエーションに限りがでてしまうこと、貸し手と借り手が安全な人である保証がないこと、服の品質に差がでてしまうことだろう。
また、画像の撮影がユーザーに委ねられているため見栄え(UI)の統一性がとれなくなることは個人間の取引らしい問題点だろう。

Image Credit : HURR collective

これらの問題に対しHURR Collectiveはそれぞれ対応を行っている。
サイズなどのバリエーションに限りがあることに関しては、平均より大きめのモデル、プラスサイズモデルや50代のモデルを招待しており、サイズ、年齢、文化に対して多様性を保つ努力をしている。

安全性に対してはドライクリーニングや服の損害保険をつけている他、レビュー制やクローズドなコミュニティにして注意を払っている。

そして最大の問題である見栄えに関しては、貸し手があげた画像に対して、HURR Collectiveは背景を全て白加工を施しアップロードしているのだ。そのためHURR CollectiveはWebサイトというよりも雑誌のようなクリーンで美しいUIとなっている。知らない人から服を借りるという嫌悪感を感じることなく、雑誌の服を着るような感覚で服を借りることができるのだ。

Image Credit : HURR collective

広がるレンタルの需要

こうしたシェアリングサービスが拡大する背景には、イギリスでのタンスに眠る130億ポンド(日本円で約1800億円)相当の着ない服への問題意識があるからだろう。

イギリスの調査によるとイギリスの平均的な女性は504ポンド(日本円で約7万円)相当の不要な服を抱えているという。一方でミニマリストの考え方やサステイナビリティ、ワンショット消費が流行する中、消費者は所有するという行為にめんどくささを感じ、売却や貸出へと考え方がシフトしてきている。

総務省の調査によると、シェアリングエコノミーの市場規模は2013年の150億ドル(日本円で約1兆6千万)から2025年には3,350億ドル(日本円で約36兆円)になると試算されている

広がるレンタルサービス

これほどレンタルサービスが伸びている中、レンタルサービスを使わずにあえて高いブランドの服を買う若者も多い。

その背景には高いブランド物の服を買って少し着た後に、メルカリなどの中古サイトで売った(ワンショット消費)ほうが利益がでるというものがある。

実際にメルカリの調査でリセールバリューを考えてから服を購入する人が増えているという結果がでている。


若い世代は他の世代よりもサステイナビリティに関心があるといわれている。あえて高くて新しいものを買う人がいることを考えると、結局ファッションのシェアやリセールなどのサービスが浸透するためにはそのサービスが気軽に使え、利益を得られることが重要なのかもしれない。


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