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【特集】インスタグラムメディア「RiLi」に学ぶ、コロナ禍におけるZ世代の消費 (前編)

リモートワーク対応、おうちファッションなど、外出自粛生活によって新たなファッションの消費が提案されている。しかしその一方で、自粛下での生活スタイルも年代によって違いがあるだろう。特にデジタルネイティブなZ世代には、この自粛生活はどんな変化をもたらしたのだろうか?

新型コロナウイルスの感染拡大がZ世代の消費スタイルに与えた影響を探るべく、今回はZ世代女子に絶大な人気を誇るインスタグラムメディア「RiLi(リリ)」を取材。RiLiは、インスタグラムを起点にしたキュレーションメディア「RiLi .Tokyo」と、独自の「RiLi STORE」からなるファッションメディア。コスメ、ライフスタイルや人気スポットの紹介など多様な情報も発信している。そんなRiLiの代表取締役、渡邉麻翔さんにインタビューを行い、コロナ禍の影響下でのRiLiやRiLiユーザーの変化について伺った。

渡邉麻翔 / 株式会社RiLi 代表取締役 CEO

F1層向けミドルブランドから外資系ハイブランドまで、数々のファッションブランドをクライアントにクリエイターとして活動。企画〜制作で一貫したディレクション経験を持つ。 2011年に入社したMARK STYLER株式会社ではECマーケターに従事。約1年で公式SNSのフォロワー数を10倍、SNS経由売上を100倍に成長させた。2014年、株式会社Super Crowds創業に参画。新規事業として立ち上がったRiLiを分社化し、2015年より株式会社RiLi代表取締役を務める。

コロナ禍がもたらした変化

ーー新型コロナウィルスの感染拡大がサービスに与えた影響として、実際に体感していることはありますか?

売り上げでみると結果としての売り上げ着地に、そこまで悪影響は感じていません。一方で、売れるアイテムの構成比は変わっているかなと思っています。RiLiだと、例えば毎年この時期にお出かけ需要を訴求するのですが、実際のところは売れ行きを期待していた白いワンピースなどの動きが鈍かったです。あと、3月に大学生などが行う「追いコン」への需要を見越したドレスは、タイミングを逃してしまったのかなと思います。ちょっとオシャレする、おめかしするためのアイテムが例年は需要のある時期のはずでしたが、そういったユーザーさんの気持ちは短期でガラッと変わってしまったようです。

ただ、ロンTなどカジュアルな商品でも、今年はすごいヒットしたものを何個か出せているので、売り上げ自体は好調です。需要が移ったということもあるのかもしれません。

ーーユーザーの購買意欲自体は変わっていないということなのでしょうか?

もともと懸念していたのは、主なユーザーが若い世代なので基本収入がアルバイトなんです。今はアルバイトをできない状況の人も多いので、収入が減って買い物に影響がでることを懸念していたのですが、結果として影響はそこまで感じなかったですね。

セッション数は顕著に変化があり、すごい増えましたね。通常時の2〜3倍になる日もあります。これは単純に外出自粛で家にいるからなのか、私たちがセッション増に注力した施策を実施したから伸びたのかはわからないですが。

自粛生活のためのコンテンツ

ーー具体的にはどんな施策をしたのでしょうか?

ネットプリント」と「あつ森(Nintendo Switchソフト「あつまれどうぶつの森」)」という2つのコンテンツを話題作りとして出しました。

ネットプリントは、おうちでインスタグラムに投稿するネタがなくなってしまったユーザーさんのために作りました。自粛生活で家のなかでもオシャレなお皿とか小物を使って“インスタ映え”する写真を撮るユーザーさんもいらっしゃるのですが、手持ちの小物だけでは構図もワンパターンになってしまうので、「ここにちょっと添えたら“いい感じ”になる紙があったらウケるんじゃないか」と思い製作したところ、想像以上の反響がありました。

コンビニのコピー機や自宅のプリンターから気軽に印刷できるのですが、1週間で1万を超える印刷があり、数千の投稿がされました。写真を投稿したユーザーさんはRiLiをタグ付けしてくださるので、これがきっかけとなって、たくさんの新規ユーザーさんにサイトに訪問していただきました。

ーーぜひ「あつ森」のお話も聞かせてください。

「あつ森」の試みは、家で「あつ森」をしているユーザーが多いという声と、商品撮影が難しくなったことをきっかけに始めました。

今は基本的にはフルリモートですが、商品企画と撮影だけはリモートではできないので、時間を短縮する、満員電車を避けるなど最大限の注意をして行なっています。そのため、電車移動を伴うロケーション撮影が行けなくなったり、2人で並んで写真を取るシミラールックの提案ができなくなりました。今年の浴衣撮影は、本当は5人並んで、鎌倉ロケで行う予定だったのですが、実現が叶わなかったため「あつ森」のなかでやることにしました。

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浴衣のマイデザインは配布もしており、ユーザーさんも「あつ森」上のアバターに浴衣を着せて楽しめるようになっています。何件かスクショの投稿もありましたが、スイッチからスマホに画像を転送するハードルもあり、ネットプリントほどバズることはなかったですね。ただ、いいね数や保存数、コメントから、注目度の高さは非常に感じました。たくさんのユーザーさんに楽しんでいただけたので、やってよかったです。

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ーー色々なブランドが「あつ森」に参入する前から始めてましたよね?

タイミング的にハイブランドの参入が発表されたのと同じタイミングだったので、ユーザーさんが「マークジェイコブスとRiLiダウンロードした」と、普段は絶対に横並びにされないブランドさんとSNSで共演していてびっくりしました(笑)

RiLiでは過去にはzepetoの着せかえを提案したりと、新しいデジタルコンテンツには積極的に参加する姿勢なので、今回もすぐにやろうと決まりました。


後半ではさらに詳しく、RiLiユーザーさんの現在を深掘りしていきます。
お楽しみに!

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