IoTデバイス「スキンミラー」でパーソナライズスキンケアを実現
オルビス株式会社は、IoTデバイス「スキンミラー」を用いたパーソナライズスキンケアサービスを今春スタートする。その仕組みは、オルビスが独自に開発した肌測定機能搭載の「スキンミラー」を頬に当てると肌測定ができるというものだ。
このパーソナライズスキンケアサービスは、「スキンミラー」を通じて日々蓄積される肌の解析データをはじめ、住んでいる地域の天候データや、肌の悩み、生活習慣などから、オルビス独自の理論に基づき、ひとりひとりの肌に最適なパーソナライズスキンケア商品を毎月届けてくれる定期販売モデルのサービスだという。
自分に合ったスキンケアを探すのに苦労する人も多いなか、上述のように毎日のスキンケアをサポートしてくれるサービスは心強い限りだ。この「スキンミラー」とサービス全体はどのような背景で誕生したのか?今回はオルビス株式会社新規事業開発グループ、諸町実希さんに、スキンケアのパーソナライズに関するオルビスの思想についてインタビューを行った。
オルビス株式会社 新規事業開発グループ 諸町実希さん
自分に合ったスキンケアの実現へ
パーソナライズスキンケアサービスの構想がスタートしたのは2017年頃。そして、本サービス開発のプロジェクトとして始動したのは2020年1月頃と、約1年弱の月日を重ねて本サービスを構築したという。
本サービスの構築には、オルビスの創業当初から変わらない信念、ひとりひとりの「肌が本来持つ力を信じて、引き出すこと」が軸になっているそうだ。オルビスが未来にどんな価値提供ができるのかを考えた際、パーソナライズスキンケアサービスに取り組むことは、トレンドだからではなくオルビスの中でごく自然と湧き上がってきたものだという。
その信念には、ユーザーと共にスキンケアに向かい合ってきた同社の真摯な姿勢が見て取れる。諸町さんは次のように言う。
「『肌に合ったスキンケアをお届けする』だけでなく、『自分に合ったスキンケアが欲しい』、その奥に潜むお客様の美容に向かう気持ちに、私たちがどう寄り添うことができ、肌の持つ力を引き出すパーソナライズ体験やスキンケア時間をお届けできるか丁寧に取り組んできました。」
「そして、着目したのはキレイに向かって『自分で正しく頑張りたい』とスキンケアに前向きに取り組んでいる方の姿です。そんな方々の『肌への期待』や、『キレイの可能性を信じる』姿から見られる自分の肌への知的好奇心に応えるには、いつでも自分で肌を知ることができ、自分のスキンケアに納得できる機会が必要だと考え、『スキンミラー』を用いた肌を知ることから始まるパーソナライズスキンケアサービスが誕生しました。」
スキンケアのパーソナライズの潮流とオルビスの信念
オルビスは、似合う眉毛をAIがシミュレーションしてくれる「AIアイブローシミュレーター」等のサービスを「ORBISアプリ」で展開するなど、ひとりひとりの「自分らしい美しさ」の発見に貢献してきた。
そのような中での今回のパーソナライズスキンケアサービスの発表は極めて自然な流れだったように思え、一貫した思想が感じられた。諸町さんは次のように語る。
「創業当初から変わらない信念、ひとりひとりの「肌が本来持つ力を信じて、引き出すこと」を大切に、オルビスが未来どんな価値提供ができるのか考えた際、パーソナライズスキンケアサービスに取り組むことは、オルビスの中でごく自然と湧き上がってきたものです。
そのなかでも、自分の肌への知的好奇心に応える肌を知ることから始まるパーソナライズスキンケアサービスというコンセプトは、プロジェクト開始当初から仮説はありましたが、開発が進む中で出会ったモニターの声や、サービスを試しいただいた際の反響から磨かれていきました。」
「今回オルビスがパーソナライズスキンケアサービスに取り組んだのは、創業当時から掲げている理念を追求した結果、自然な決断であり、トレンドだからでもコロナ禍だからでもありませんが、パーソナライズビューティーが盛り上がることは、ひとりひとりの持つ美しさを引き出し、多様な美容への価値感に応える選択肢が増えることに繋がると思います。業界全体での発展を楽しみにしていますし、オルビスも理念に根差した高い体験価値をもとに、リードしていきたいと思います。」
IoTデバイス「スキンミラー」とは?
「スキンミラー」はコンパクトな手のひらサイズのIoTデバイスで、毎日気軽に使えそうなサイズ感とミニマルなデザインが特徴的だ。モノとしても手元に置きたくなるようなデザイン性の高さだが、どのようなコンセプトでデザインされたのだろうか?
「オルビスが『肌を知る』ための空間として選んだのは自宅の洗面所です。なぜなら、洗面所という場所は多くの方が毎日、鏡に向かってスキンケアに取り組む中で『なぜ調子がよいのか』『なぜ肌がゆらいでいるのか』、目や触感で確かめながら、肌に起きたことを振り返る空間だからです。そこで、鏡を通じてまっすぐ自分と、肌と向き合えるスキンケアの時間に『スキンミラー』が融けこみ、誰の目も気にせず肌への知的好奇心を充たすことができる体験をお届けしたいと考え、洗面所の鏡に馴染む鏡面デザイン、自分で簡単に測定できる手のひらサイズのIoTデバイスを実現しました。」
毎朝向かい合う洗面所の鏡にセットでき、ユーザーの使い勝手が計算されている。詳しい使用方法は後日発表になるそうだが、簡単な動作のみで計測が可能なように見える。毎日の習慣の一つとして組み込めそうな優しいデザインだ。
「肌が本来持つ力を信じて、引き出すこと」を目指して
「スキンミラー」とそれを用いたパーソナライズスキンケアサービスはもちろん、オルビスは創業当初から変わらない信念、ひとりひとりの「肌が本来持つ力を信じて、引き出すこと」を大切に様々な取り組みを行ってきた。一貫した信念に基づいてひとりひとりの美しさを引き出すことを探究してきた同社は、本サービスでも同様の信念を内に秘めている。最後に諸町さんは次のように語ってくれた。
「今回発表したサービスを通じて、キレイに向かってスキンケアを頑張る方々に、自分のスキンケアが確信に変わり、自分にしか引き出すことのできない、さらなる美しさを叶えることのできるスキンケア体験の提供をしてまいります。」
美容にかかわるテクノロジーの発達は年々勢いを増し、一つの潮流を作っている。オルビスの「スキンミラー」とパーソナライズスキンケアサービスは間違いなくその流れの一端であり、業界の潮流を牽引するにふさわしい信念に基づいてもいる。そして美容や化粧を自分専用にカスタマイズすることは、ユーザーが待ち望んでいたものであると同時に、今後どんどんシェアを拡大していくであろうことが予想できる。それを叶えてくれる多種多様な商品やサービスが今後も登場してくれることを今後も期待したい。
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