Googleから新特許、腕がスマートウォッチのキーボードに?
ニュースサマリ
2018年11月27日、Googleが米国特許商標庁にスマートウォッチに組み込まれたモーションセンサーの特許を登録した。この技術によって、インターフェイスがスマートウォッチ本体から周辺まで拡大することを実現。この特許を利用すれば、ユーザーの腕の動きによって、文字の選択やタイピングなどの操作を行うことができるようになる。
Google's new patent could turn your arm into your smartwatch's keyboard
via NoteBook Check
話題のポイント
皆さんは、「スマートウォッチ」といえば何を思い浮かべますか?
今や多くの企業やアパレルブランドからスマートウォッチが発売されていますが、やはり多くの人がすぐに思い浮かべるブランドと言えばAppleの「Apple Watch」でしょう。
スマホとデータを共有してスマートウォッチ上でのメール操作、音楽再生、決済などが行える機能性の高さに加え、ファッショナブルなデザインで不動の人気を誇っています。
Image Credit : Youtube by Apple
しかし、そんなApple Watchでも課題点はまだまだあります。
ウェアラブル端末故に、大きなディスプレイを搭載することができず、表示可能な情報が限られていることや、画面のタッチ操作が行いにくいなどの課題があるのが現状です。
今回のGoogleの特許登録は、この課題を解決できる大きな鍵を握っているかもしれません。
もし、この特許がプロダクトとして成功すれば、スマートウォッチにモーションセンサーが組み込まれていることで、周辺で行われたジェスチャーや動作を感知することが可能になります。
つまり、着用していない方の手の動きを認識して操作ができるようになるので、小さなディスプレイに加え、その周辺までインターフェイスを拡張することができるようになるのです。
この内容を応用させれば、腕にタッチパネルや画面の一部などをプロジェクションマッピングのように投影させ、より多くの情報を掲載したり、操作がより正確に行えるようになったりするかもしれません。
また、スマートウォッチのディスプレイの拡張を実現した技術は、他社でも複数開発されています。
Image Credit : Youtube by Robert Xiao
例えば、Lumi Watchという商品は、画面を備えず着用者の腕に映像を投影するスマートグラスです。投影された情報を確認できるだけでなく、指によるタッチ操作も可能になっています。
しかし、日常的に着用するには抵抗感のあるデザイン、服の上から投影された場合に情報が見づらい、など課題も多く一部のメディアで「ひどい」と評されることもありました。
他にも、WWDC2018にて発表された、AppleのiOS12に搭載されたAR機能「ARKit 2.0」を使った開発者によるARアプリのデモが話題になりました。
スマートウォッチ「Apple Watch」と連動したARアプリで、天気やメッセージといった主要なアプリが、画面の隣に大きなARスクリーンで表示されるようになっています。
例えば、メッセージアプリを選択すると、チャット画面がARで表示されるようになっています。
しかし、片手はスマートウォッチを着用し、もう片手でスマホを操作しながらARアプリを確認するという時点で、実用は現実的とは言えません。
このように他の開発例に加え、Googleの特許申請が2016年で最後になっていることを考えると、スマートウォッチのディスプレイ拡張の実用には、まだまだ課題である点が多くあるでしょう。
ですが、テクノロジーの進化は急速に進んでいます。
ダイヤル式の電話がボタン式やコードレスに、ガラケーがスマートフォンに、今や私達が当たり前に毎日使用している携帯電話も進化し続けてきました。
課題である点は言わば、今後、進化できる可能性とも言えるでしょう。
第二の携帯となり得るスマートウォッチ、今後どのような機能が追加され、どのように多くの人が身につけるようなデザインになっていくのか楽しみです。