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【体験レポ】スマートフットウェア「ORPHE TRACK」、田端信太郎と靴の未来を考えてみた

これまでFashionTechNewsでは、ファッションの未来を感じさせる新たな製品やサービスを紹介してきました。それらは私たちの日常とはまだ少し距離のあるものに思えたかもしれません。しかし実際には、入手可能なファッションテックアイテムが日に日に増えています。そこで、こういったアイテムをより身近に感じ、ファッションの未来を感じてもらうべく、今後は体験レポートもお届けしていきたいと思います。

今回はその第1弾として、今年の7月にテスト販売が始まったスマートフットウェア「ORPHE TRACK」を取り上げます。ORPHE TRACKはランニングフォームを分析し、ランナーの目標達成をサポートするハイテクスニーカー。もともと、着用者の動きを光と音に変換するスマートフットウェアとしてライブ演出やファッションブランドとのコラボレーションで注目されたものを、ランナー向けに開発してリリースされました。シューズに内蔵したセンサーモジュールでランナーの着地法や左右バランスなどを毎歩計測、詳細な解析結果が専用アプリにフィードバックされます。

今回はこのORPHE TRACKをZOZOきってのランナー、株式会社ZOZO 執行役員 コミュニケーションデザイン室長の田端信太郎さんに、実際に着用して走ってもらいました!

ORPHE TRACKの使い方

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Image Credit : no new folk studio

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この中敷の下にはめ込む、センサーモジュールORPHE COREが要。センサーモジュールを付属のUSBケーブルで充電し、専用アプリをダウンロードするところからスタートです。

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アプリを起動し、ガイダンスに従ってBluetoothでセンサーモジュールと接続します。センサーモジュールを動かすと、画面に表示される靴のイラストの向きや傾きも連動します。あとは自分の身長、体重、靴のサイズ、性別、生年月を入力して設定完了です!

実際に着用して走ってみた

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では、実際にORPHE TRACKを使用してみましょう!今回、体験してくれた田端さんのランニング歴は6年程度。最近はあまり走れていないそうですが、一時期は「歯磨きみたいに、走らないと気持ち悪い」と毎日10kmも走っていた時期もあり、東京マラソンへの出場経験も。しかし、ランニングのしすぎから足底筋膜炎に苦しんだこともあるそう。

ランニングシューズへの特別なこだわりはなく、「ちょっといいやつ」をチョイス。ランニングアプリはNikeが運営する「Nike Run Club」や、adidasが2億3900万ドルで買収した「Runtastic」などを使用していたそうです。

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走ってみると、お試しの短い走行でもしっかりと測定結果がでました。ラップ、ペース、着地、プロネーション(足首の傾き)、ストライド(重複歩の長さ)、ピッチ、設置時間、ストライドの高さ、着地衝撃力の項目が計測されます。走行中はセンサーモジュールが発光、ソールから透けてみえます。

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実際に使用した感想を聞いてみると、「自分の身体の左右差がわかり、面白い」とのことでした。一方で、各測定値の説明、総合評価、簡単なアドバイスは出されるものの「解釈が難しい」という感想も。修正に繋げるには専門知が必要で、「リモートの診断サービスや、パーソナルトレーナーがデータをみて励ましたり、癖が治ってないとアドバイスをくれるサービスがあると良いかも」とのアイディアもでました。

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着用感については「良くも悪くも靴としては全く違和感がない」、「だまって渡されたらわからない、重いとか軽いとかもない」とのことでした。機械的な装置を身に着けることの違和感はウェアラブルデバイスの大きな課題のひとつ。ランニングシューズはなおさら履き心地が重要ですが、抵抗なく取り入れることができそうです。

ORPHE TRACKの購入後、購入者専用ページや非公開のfacebookグループへ案内されます。ここでは無料のコーチングイベントや開発者とのミートアップイベントへの招待、ORPHE TRACKアンバサダーによるイベントやレビュー、公式サポートの案内などが共有されています。測定結果を自分では十分に活用できない人でも、こういったイベントやコミュニティに参加することで、専門的なサポートを受けることができるようです。

靴がスマート化する未来

今回の体験では、田端さんに靴のスマート化についても意見を聞いてみました。「服よりも靴の方が毎日同じものを身に着けることに抵抗感がなさそうだし、少ないバリエーションで賄えるから自動改札とかもこれでいいんじゃない?」との答え。確かにスマートフォンや時計は、ついうっかり忘れてしまうことはありますが、靴を履かずに家を出る人はいないですよね。「着地の衝撃で充電する」、「ドライブスルーとかETCみたいになるといい」という面白いアイディアも。所有するデバイスが増えて充電の手間も増すなか、充電不要で絶対に家に忘れない定期券やチケットが実現したら、便利なのは間違いなしです。

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他にも、営業マンに履かせて業務管理するという田端さんならではのアイディアや、高齢者の活動量の測定、安否確認にも使えそうといったアイディアも。靴という私たちが毎日身につけ、行動と連携できるアイテムだからこそ可能な活用法が、まだまだたくさんありそうです。

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ZOZO研究所では、ファッションに関する研究を行っております。
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