インスタグラムがリマインダー機能をテスト導入。事前にユーザー数を把握するメリットとは
Instagramで買い物をした経験はあるだろうか。
2019年3月にInstagramからリリースされた、アイテムを見つけるところから支払いまでが完結する「CHECKOUT(チェックアウト)」機能は、ユーザーの購買率に大きな影響を与えている。実際に、毎月約1億3,000万以上のユーザーが商品の投稿をタップしタグを表示させているという。
Image Credit : Instagram
写真共有アプリからECへと機能拡大を図っているInstagramだが、2019年9月には、新しくリマインダー機能をテストしていることを発表した。
インスタのリマインダー機能とは
Instagramのリマインダー機能は、特定のブランドの新商品発売のタイミングが通知されるように事前設定できる機能だ。
リマインダー機能に対応しているブランドはadidas、H&M、Levi's、Michael Kors、Warby Parker(ワービーパーカー)など20以上のブランド。
以下のステップでリマインダー機能を利用できる。
Image Credit : Instagram
リマインダー機能が利用できるブランドは、Instagramのストーリーに商品が発売する日を記した「launch sticker(ローンチ ステッカー)」を表示できる。ユーザーはそれをタップすると商品情報のサイトに飛び、新商品の詳細や発売日を確認可能。その上で、商品が欲しいと思えばサイト上の「Set Reminder(リマインダーを設定する)」をタップし、発売日のリマインダー設定ができる。
Image Credit : Instagram
リマインダー設定をしたユーザーには、商品の発売の15分前に通知が送信される。ユーザーはログインして商品を購入できるという流れだ。
ストリート系のブランドでは突然限定アイテムを発売し、ユーザーのエンゲージメントを高めるという施策がよく行われている。今回のリマインダー機能も限定アイテムの販売時に利用することで、ユーザーの期待感を募らせ購入に繋げられるだろう。またInstagramやブランド側も、他のECサイトではなくInstagram内の自社サイトで商品を購入してもらえる。
Amazonでも事前登録しているユーザーに商品発売
Instagramのリマインダー機能に似たものとして、Amazonの「The Drop(ザドロップ)」がある。
Image Credit : YouTube by amazonfashion
The Dropでは、世界各国のインフルエンサーがデザインした限定アイテムを受注生産で購入できる。販売開始は電話番号を事前登録しているユーザーだけに通知。発売開始から30時間しか商品を購入できない。
日本からはモデル兼ファッションデザイナーである鈴木えみが参加者として起用され、今年10月9日に限定アイテムを販売し話題になった。30時間限定で販売されたアイテムの中には、完売し再販を求められる商品もあったという。
広がるリマインダー機能の可能性
このようにInstagram以外にAmazonも注目するリマインダー機能だが、事前に商品を購入する可能性が高いユーザーを把握しておくことは、様々な戦略に使えるだろう。
例えば、Instagramのリマインダー機能によって、設定しているユーザーの数に合わせて生産数をコントロールできるようになる。リマインダー登録者数から売れる商品数を予想することで過剰な生産を抑え、昨今のファッション業界で課題となっている在庫廃棄問題も解決できるかもしれない。
また商品を購入したいと思っているユーザーがリマインダー設定時に支援できる仕組みを作れば、クラウドファンディング的な使い方もできるだろう。
このリマインダー機能はまだテスト段階だが、実際にローンチされた時にどのように利用され、影響を与えていくのかが楽しみだ。
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