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【特集】リモートでファッション展示会が開催できる「REMOTEN」:ビデオ通話での商談も可能(後編)

新型コロナウィルスの感染拡⼤防⽌のため外出⾃粛は、ファッションの展示会にも大きな影響を与えている。そこで博報堂マグネットは、ファッションブランドが簡単にオンライン上で開催できる展⽰会サービス「REMOTEN(リモテン)」を本日、6⽉15⽇(⽉)リリースする。

ファッションの展示会をデジタル化・リモート化するとは、いったいどんな試みだったのだろうか?前編に続き、博報堂マグネット 執行役員・黒原康之さん、博報堂マグネット シニアコミュニケーションプランナー・佐々木裕也さんにお話を伺った。

大きな特徴はコミュニケーション機能

ーー6月15日のリリースタイミングで利用できる機能を教えてください。

佐々木:ベーシックのプランとしてはこのような機能を用意しています。

●展示会基本開催(開催期間は自由に設定可能)  
・ プレス、バイヤー別窓口での開催(展示会場 2つのURLとpasscodeの発行)     
・ E-vite(電子招待状)送付機能
・お土産送付機能
 
● コレクション、プレゼンテーション、ダウンロード、コミュニケーション、管理機能   
・ 写真、動画、LIVEプレゼンテーションでの商品紹介
・ ビデオ通話機能、チャット通話機能、来場者確認機能    
・リリースや画像などのダウンロード
・ お気に入りクリッピング機能「スキ」、リース予約    
・ 展示会終了後の来場者リスト、リース予約表、人気商品リスト、アンケート結果のお渡し

佐々木:大きな特徴としては、コミュニケーション機能ですね。来場者間のビデオ通話、チャット(プレス向けの場合)、担当者との通話、チャット、それぞれ双方向どちらからでもアクセスOKです。

あとは複数間でも通話できますので、例えばEさんとFさんとGさんが喋っていて、そこに僕が来場して、「あ、みんな知り合いだから今ビデオ通話したいな」と思ったら「割り込む」を押すと、ホスト役に「佐々木さんが参加したいと言ってます」と通知されます。そこでホスト役が「承認」を押すと、4人でビデオ通話がその場でも立ち上がるのです。

商品閲覧とプレゼンテーションといわれるライブ配信もでき、各種ダウンロード機能でリリースやカタログ、写真や動画も全部ダウンロードできます。展示会の開催期間も例えば1ヶ月間開きたいなど、縛りなく開催できます。

ーー盛りだくさんですね。

佐々木:お気に入り登録として「いいねボタン」的なもの(スキ)も実装しています。「誰が来た」「どの商品を見た」「どこにいいね押した」など、そういった来場者データもcsvとして一括ダウンロードができます。PCとスマートフォン、両方OKです。

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佐々木:これが基本のトップ画面です。架空の「アバンチ」っていうブランドの来場者向け画面になります。大きく右側の緑色ゾーンと左側のゾーンに分かれています。右側の緑のゾーンがコミュニケーションエリアで、左側がブランドのエリアになります。この右側のコミュニケーションエリアはいくらスクロールしてもナビゲーションとして残る仕様になっています。

商品を見ながら気になるなと思ったら、こちらに表示されている担当者の鈴木香織さん、佐藤栄作さん、山田隆夫さんのボタンをクリックするとビデオ通話かチャットが選べ、別のアプリではなくこの画面上でビデオ通話が始まるような UX にしています。〇で表示されているのが来場者で、クリックしますと会社名、肩書きなどが出て、ビデオ通話チャットができるようになります。来場者が入ってくるとここに表示され、退場されるとゆるやかに消えるようになってます。

ーー一目で誰が来ているかわかる仕様になっているんですね。

佐々木:はい。ただ、ここに全員収めることには限界があるので、下の「一覧で表示」をクリックすると、今来場している方、得意先の担当者名が全員出るようにもなっています。

オンライン展示会とかバーチャル展示会と聞くと、どうしても三次元の「セカンドライフ」や「どうぶつの森」みたいな空間を想像するんじゃないかなと思うんですけど、あえてそれをちょっと裏切る形で、2Dでやると面白いかなと思ってこうしました。

ーー左側のブランドエリアの役割は?

佐々木:「コレクション」をクリックした先が商品閲覧ページになります。検索も自在にできますし、写真の表示サイズも変えられます。一覧表示の時に2商品横並びにしたり、1商品にして大きく表示することもできます。あとは「テキスト」を押すと、写真と商品情報が一緒に表示されるというように、見やすいように来場者がカスタマイズできるというのが特徴です。

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ーー商品画像の右下の数字はなんでしょうか?

佐々木:これは閲覧数です。リアルの展示会で「どの商品がよく見られてました?」とか「媒体の方、どれが一番気に入ってました?」と聞かれることが多いんですが、データを取っているわけではないので、「たしかそこら辺の商品だった気がするんですが」というようなあいまいな返事しかできませんでした。

でもオンラインだと閲覧数が出るので一目瞭然。どの商品が一番みんなに見られたのかが分かります。トップページにはランキングで表示されるようにもなっていますので、それは結構大きな特徴かなと思います。

ーーライブ配信もできるんですよね?

佐々木:はい、プレゼンテーション機能のひとつとしてライブ配信ができます。配信が始まると、右下にあるようにワイプが表示され、クリックすれば大きな画面で見られます。もちろん小さい画面のままコレクションを見たりもできます。

ーー参加を検討しているブランドはどのくらいあるんでしょうか?

佐々木:すでに決定してるとこも数社ありますし、検討中のところは多数あります。例えば「ウールリッチ」(https://www.woolrich.jp/)というブランドは、開発段階で画像協力をしていただいていますが、実際にここはやります。他にも決定している会社を言いたいんですけど今は内緒にしておきます。リリースを楽しみにしておいてください(笑)

コロナ後もリアルとの組み合わせでより便利に

ーーお話を聞いていて、「これコロナじゃなくても使える機能がいっぱいありそう」と思いました。オンラインをミックスさせることでリアル展示会もさらに便利になりそうですね。

佐々木:コロナがきっかけで始めた企画ですが、当初からリアルと併用したり、コロナが終わっても生き残るようなものしたいと考えて開発を進めています。実際、シーズンになると展示会って1日100件ぐらいあるので、プレスのみなさんも疲弊しているんですよね。時間がなくて回れなくて1ブランド当たり5分で出なきゃいけないみたいなのはザラなので。そう考えると、オンライン上で回れるようになればすごくいいですよね。

しかもコロナの前まではビデオ通話ってちょっとなんか恥ずかしいという気分がありましたが今当たり前のツールになりました。メール感覚でできる感じになっていますので、充分展示会のコミュニケーションツールとしても成り立つ気がするんですよね。

ーーリアル展示会では、プレスの特典として安く洋服を買えたりしますよね。それもできるんでしょうか?

佐々木:今その機能はありませんが、やろうと思ったら可能ですね。リアルでは展示会と同時に前シーズンのサンプルセールを行ったりするブランドもありますが、「REMOTEN」上で同様のサンプルセールを開催する構想はありました。いつの間にかボツになりましたが…。

ーー今バイヤーとプレスの方向ですけど、一般の消費者向けに展開するということも充分あり得ますよね?

佐々木:ありますね。お得意様をお呼びして、出版社と組んでトークショーやったりと拡張性はあると思うので、すぐにでもできる気がしますよ。

ーーぜひ、「他社のサービスとは違う!」と自慢できるところがありましたら教えてください。

佐々木:コミュニケーションエリアが一番の大きな自慢です。「オンラインで展示会」って考えたとき、「もしそれが機能的すぎるものになったら誰も来ないだろう、何か楽しいものにしないといけない」と意識しました。そのためにはコミュニケーションエリアをいかに面白く見せて、ファーストビューで「なんだこれは!」と思わせることが必要だと。

もうひとつ言えるとしたら、あくまでも得意先の展示会だということ。そのため「REMOTEN」ロゴはできるだけ小さく表示し、一応トップに行けるようにするくらいで、展示会を邪魔しないような表示にしています。もちろんコミュニケーションエリアやブランドエリアといった大枠は作りましたが、基本的にはそれ以外は得意先がカスタマイズできるように、そこを忘れないように作りました。「REMOTEN」と呼んでいますが、あくまで得意先のオンライン展示会なのです。

ーーそういう意味ではプラットフォームではない、ということなんでしょうか?「今、こんな展示会をやっているんですよ」と一覧できるページはないんでしょうか?

佐々木:それはあります。「REMOTEN」に人が集まってくればくるほど、展示会をする側にも来場する側にもメリットがあるので、今展示会を開催してるブランドと開催予定のブランドが一覧できるページを作り、回遊できる仕組みにしています。もし、ある展示会に呼ばれていなくて、でもそこに行きたいなと思ったら、参加希望メールを担当者宛に送ることもできます。呼びたくてもコネがなかったなんて人が来てくれるって言う可能性があるっていうところが大きいですね。

ーー来場者側からいうと、「別に注目してなかったけど、なんかこのブランド面白そう」と思ったら行けるってことですよね。

黒原:そのあたりは大手のブランドさんも注目してくれていて、「新作発表会をここでしたらいいんじゃないの」と意見を伺ったことがあります。

ーー展示会だけではなく新作発表会も開けるということですね。夢が広がりますね。

佐々木:アイディア次第でいくらでもカスタマイズできるように開発しました。いろんなアイデアでみなさんに自由に使って欲しいなと思っています。


新型コロナウイルスは、世界中に数多くの健康被害と経済的負担をもたらしたことは紛れもない事実である。しかし、この展示会サービス「REMOTEN」のように、オンラインでもできる、むしろオンラインの方が効率的である、オンラインとリアルを組み合わせたら…と、今までリアルであることが当たり前の世界に新しい可能性を生み出した。苦肉の策で捻り出したサービスが常識を壊す。アフターコロナが楽しみになってきた。

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