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伊勢丹や航空会社が導入するルグランのTNQL。天気とファッションの関係とは?

気温の上昇、雨の頻度の増加など気候変動の影響が増えつつある日本。今年は遅れる梅雨時期や急な気温上昇により、服装に悩む人も多かっただろう。
また、アパレルショップも天気によって客足が遠のいたり、商品訴求時期と天気のミスマッチで中々売上が伸びないということがあるだろう。
このように、人の行動には天気とファッションが切っても切り離せない関係がある。

そこに目をつけたのがデジタルマーケティング会社ルグラン。ルグランは気象ビックデータを活用し、天気や気温の変化に合わせコーディネートを提案するファッションテックサービスTNQL(テンキュール)を開発した。TNQLは毎日の服装を記録する機能もあり、AIによって気象データだけではなく、ユーザーの好みを踏まえた提案も可能。またコーディネートのイラストからECサイトに飛んで商品を購入することもできる。

旅行先のコーディネートを提案

旅行に行く時に、どのような服を持っていけばいいか悩んだことがある人も多いのではないだろうか。TNQLはそんな悩みも解決できる。
2019年6月3日、TNQLは中国の大手LCCである春秋航空が出資した航空会社、春秋航空日本(SPRING JAPAN)の予約サイトに導入された。ユーザーは、春秋航空日本の予約サイトで旅行先の天気情報と天気にあったコーディネートをタイムリーに確認できる。これにより、旅行先の天気と服装のミスマッチを防ぎ、顧客満足向上を図る狙いだ。

Image Credit : TNQL

実際にインターネットで天気別のコーディネートを検索してみると多くのサービスがヒット。Coordifulなどのアプリ系サービスの他、non-noお天気コーデなどのメディア系、天気予報中にお天気お姉さんが服装を提案するテレビ番組など天気と関連するサービスが多々あった。

気分転換として香りを提案

更にTNQLは2019年7月19日、株式会社三越伊勢丹と連携し、その日の天気にあったフレグランスをレコメンドするサービスを開発。気温や湿度などから算出される不快指数をベースに独自のレコメンドロジックを構築し、伊勢丹オンラインストア内のメンズページでサービスを提供している。
メンズ化粧品市場が著しく上昇している中で、天気にあわせてフレグランスをレコメンドするというのは新しい切り口で興味深い。

Image Credit : 伊勢丹

天気というデータの汎用性

データという観点からみると、気象情報などのビックデータをファッションと結びつけるためには、それが何を意味することか読み解くことが重要だ。ルグランのプロデューサー山本了大はマイナビニュースの取材で、「気温だけでなく風速や湿度を考慮して体感温度へ落とし込むアルゴリズムを構築することができた。」と語っている。今回の春秋航空や伊勢丹への導入も気象情報だけでなく、ターゲットユーザーのファッションに対する悩みとどうマッチングするか考えて決まったものだろう。

ファッションにテクノロジーを活用していく企業が増え、データを使ってサービスを提供するのは当たり前になってきた。TNQLのように今まで目の前にあったデータをどう調理して提供するか、それを考えていくことがサービスの分岐点となるだろう。

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