ルイ・ヴィトン、ディオールを有するLVMH、ブロックチェーンを導入
高級ブランドモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)が、ブロックチェーンを活用したプラットフォームを開発し、自社商品の追跡に活用するとCoindeskに報道された。
2019年5月か6月にルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)とパルファン・クリスチャン・ディオール(Parfums Christian dior)にて実装し、後に傘下の60以上のブランドに展開する予定。
採用されるプラットフォームはAURAと呼ばれ、JPモルガン(J.P. Morgan)とエンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(Enterprise Ethereum Alliance)で共同開発したブロックチェーン「Quorum」上で構築されたもの。最終的には他企業にもサービスを提供するという。
ブロックチェーンは商品の信頼性担保に
AURAはまず、原材料から販売店まで一連の記録を追跡することで、商品の信頼性担保に利用されるという。
また次のステップとしては知的財産権の保護に加え、ユーザー向けに限定販売やイベント、偽広告の対策などのサービスを提供する予定だ。
どうしてLVMHはブロックチェーンを取り入れたのか
LVMHがブロックチェーンを取り入れた背景には年々拡大している偽造品の市場があるだろう。
2017年に模造品業者が稼ぎだした金額は、おおよそ5000億ドル(約55兆円)に達するといわれている。特に Louis Vuittonは偽造品が多く、LVMHは偽造品対策に年間1500万ユーロ(日本円で約19億円)を投じているという。
偽造品対策にテクノロジーを
偽造品市場が拡大する中で、テクノロジーを利用するブランドも増えている。方法はシリアル化されたバーコードやRFID 、AIなど様々だ。
その中でも特に、改ざんできず、追跡機能があるブロックチェーンは注目されている。去年の11月にH&M、今年の3月末に中国のストリートウェア大手のYOHO!がブロックチェーンを取り入れたことは記憶に新しい。
LVMHの取り組みが成功し、他の企業もブロックチェーンを活用するようになれば、偽造品の市場は大幅に縮小するかもしれない。
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