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服を着るだけでお金が稼げる?データを換金できるLOOMIA

ニュースサマリ
2017年5月、アメリカのスマートファブリック企業LOOMIAが、ユーザーの行動や服の利用状況に関するデータを収集できるデバイス「LOOMIA TILE」を開発していることを発表した。LOOMIA TILEは洗濯タグほどの大きさで、天気、着用時間、着用頻度、洗濯回数など、ユーザーのデータを自動的に集めることができる。ユーザーは専用アプリでそのデータを企業に販売し、企業から報酬としてトークンを受け取ることが可能。それによって、企業はユーザーのリアルな生活のデータを手に入れ、ユーザーはトークンで買い物をすることができる。

Loomia is a Brooklyn-based startup that wants your clothes to be smarter — and it's using the blockchain to do it
via Business Insider


話題のポイント
データはよく「21世紀の石油」と言われ、GoogleFacebookなどと言った強大IT企業は、サービスを使用してもらうことや、ログインの手段として使用してもらうことで、データを収集しています。
しかし、無許可で個人データを収集されることや、そのデータがどんな目的で誰に使われているかわからないことに怒りや不安を覚える人もいるのではないでしょうか。

上記のような企業はユーザーのデータを行動ターゲティング広告に変え、莫大な資産を築いている以上、ユーザーも自分のデータの所有権や重要性を考えてみる必要があるかもしれません。

Image Credit : Youtube by LOOMIA

その中で、LOOMIAはデータを収集する手段としてに着目しています。
今までと比較しとても珍しく、興味深い発想です。


データの重要性が叫ばれると、企業は比較的取得しやすいオンラインのデータよりもオフラインのデータを集めることに注力します。その際にリアルな行動データを集める手段としてウェアラブル端末に目を向ける企業も多いのではないでしょうか。

ウェアラブル端末というと現在は腕時計型が主流ですが、

There probably isn’t a better way to track your motion than by using your clothes.

と、LOOMIAのCEOが語ったように、服以上にリアルなデータを取るのに適したものはないでしょう。
服を着るという行為は自然な行為であり、他人に見えない部分にタグをつけられるので、デザイン性を気にせず、気兼ねなく毎日利用できます。

Image Credit : LOOMIA

データが勝手に取られ、ビジネスに利用されることに不安を覚える人も多い現代。
今回の製品のように自分の意思でデータを管理でき、トークンのようなわかりやすいメリットを得られる服は、今までにはない画期的な商品です。
ユーザーもデータを提供するメリットがわかると、能動的にデータを企業に提供するかもしれません。そうすると企業もそのデータを活かしてユーザーにあった製品を作れるので、お互いにwin-winの関係を築けるでしょう。
その一翼を担うのが「服」というのは、テクノロジーが発達した現代ならではの面白い施策です。

これからも様々なビジネスが生まれていくと思いますが、それを叶える手段として、誰もがずっと身につけている「服」に着目してみるのも面白いかもしれません。