資源の循環を実践する「FREITAG」 のバッグ交換プラットフォーム「S.W.A.P.」
サステナビリティを重視するブランドが増えるなか、1993年の創業当初からサステナブルなアイテムを提供するバッグブランドが「FREITAG(フライターグ)」だ。
そんなFREITAGがリリースしたのが、バッグ交換プラットフォーム「S.W.A.P.(Shopping Without Any Payment=お支払い不要のショッピング)」。今回は、その内容と狙いについて紹介していく。
バッグ版ティンダー?「S.W.A.P.」
Image Credit:FREITAG
S.W.A.P.とは、FREITAGのバッグを持っているユーザー同士が、使用しなくなったバッグを交換するアプリ。利用しなくなったバッグを手放すと同時に、同ブランドの別のバッグを手に入れることができる。
豊富な種類のバッグからスムーズに選択できるよう、マッチングアプリ「Tinder(ティンダー)」から着想を得て設計。ユーザーが使わなくなったバッグの画像をアップロードすると、他のユーザーのバッグが表示され。気に入ったら右に、気に入らなかったら左にスワイプして選んでいく。
選択したバッグの持ち主も自分のバッグを気に入ってくれれば、交換取引を開始。実際に交換する方法や場所などは、当事者が決める仕組みだ。
FREITAGと、資源の循環の未来
Image Credit:FREITAG
FREITAGは25年間、サステナブルな取り組みを続けてきた。創設者はFreitag MarkusとDaniel兄弟、使い古したトラックの幌、廃棄された自転車のタイヤチューブ、シートベルトからメッセンジャーバッグを作ったことから始まったブランドである。FREITAGのアイテムは、全てリサイクル素材からできた1点物。オンラインストアでは約4,000点ものアイテムを揃えている。
また、サステナビリティへの取り組みはプロダクトそのものに限らない。デザインから発送まで、ほとんどの製造工程を行なうチューリッヒのオフィスビルでは、雨水や近くのリサイクル工場の熱を再利用し、水やエネルギーを節約している。他にも店舗の修理サービス、最小限の資源から作られた靱皮繊維(じんぴせんい)のエコ素材など、資源の循環を考え、実践する信念を貫いている。
ブランドがつくるサステナブルなコミュニティ
ひとつでもアイテムを購入すれば、交換コミュニティへ参加できる。これは新しいアイテムを少しでも多くユーザーに購入してもらうよりも、世に出たアイテムを少しでも長く使ってもらうことを目的にしたサービス。ブランドが軸となってユーザー間でサステナブルなコミュニティの構築を試みる、とてもユニークな取り組みだ。
S.W.A.P.は短期的な貸し借りが主な「シェアリングエコノミー」的なサービスとは異なり、あくまで個人の所有を前提に1点ものの譲渡を気軽に行えるようにする。これは、モノやブランドへの愛着によるサステナブルな循環構造への挑戦であり、ファッションの文脈では特に重要な視点であるだろう。S.W.A.P.のようなサービスがユーザーにどう活用されていくか、今後も注目していきたい。
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