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アパレル版Tinder?Stitch Fixのデータを集める仕掛け

ニュースサマリ
2019年2月アメリカでスタイリングサービスを提供しているStitch Fixは2018年12億ドル(日本円で約1兆3千億円)の売り上げを達成し、アメリカのビジネス雑誌『Fast Company』の「World's Most Innovative Companies for 2019」に選ばれた。Stitch FixはAIとスタイリストを使ってユーザーの好みやサイズに合わせたコーディネートを提案してくれるサービス。コーディネートは3,800人以上のスタイリストがAIのアドバイスを受けながら選ぶ。全て返品可能で、料金は購入商品に加えてスタイリングフィー20ドル(日本円で約2,200円)がとられるが、1つでも商品を購入すればスタイリングフィーは割り引かれる。

Stitch Fix’s radical data-driven way to sell clothes–$1.2 billion last year–is reinventing retail
via Fast Company


話題のポイント
最近増えてきたスタイリングサービス。その中でもStitch Fixは特に注目されていますが、どうしてここまでStitch Fixは成長し続けることができたのでしょうか。

大きく3つのことが考えられるでしょう。


1つ目は感覚的な好みのデータを集める工夫が優れていることです。

パーソナライズされたサービスを提供する時に、よく起きる問題の1つとしてコールドスタート問題があります。サービスを使いはじめたユーザーはデータがないために、ユーザー独自のサービスが提供できないということですが、それに対してStitch Fixは面白い工夫をしていました。

Style Shuffleというものです。
興味深い点はUI/UXがTinderのようになっていたことで、コーディネートを好きか嫌いかをゲーム感覚で選ぶことができます。
また、ローディング中というユーザーが時間をもて余している時にすることもでき、かなり細部まで考え込まれているといえます。

感覚的なデータを集める難しさはありながらも、画像をベースに、ユーザーが行う工程(選べる形)を最小限にする工夫はさすがといえます。

Image Credit : Youtube by Stitch Fix

2つ目は人間とAIの役割分担がうまくできていることです。

AIをスタイリストとユーザーのマッチングやデータの処理に使っているのですが、最終的に服を選ぶのは人間です。
AIの活用の目的はあくまで業務効率化であり、ユーザーを直接、満足させる原因ではないということを認識していることが読み取れてすばらしいです。

また驚くべきことにスタイリストのほとんどがパートタイマーで家で仕事をしているそうです。スタイリストをどういう観点で雇ったのかや「スタイル」をどう定義したのかが気になるポイントです。


3つ目はユーザーからのフィードバックをいち早く機械学習モデルに反映させられるシステムがあることです。

Stitch Fixによると、郵送した商品に対し85%という高い確率でフィードバックを集めているようです。どうしてこれだけの高いフィードバック率を集められるのでしょうか。

はっきりとした理由は記載されていませんが、考えられるのは、1つ服を買えばスタイリングフィーが無料になることや様々な工夫で集めたデータをもとに、しっかりとマインドシェアを得ていることが要因と言えるでしょう。
買えば買うほど割引があれば、もっと買われ、ユーザーのロイヤリティも増していくかもしれません。

Image Credit : Stitch Fix

このようにStitch Fixを大きく成長させ、他のサービスと差別化ができたのは、データをうまく取り、うまく扱う仕掛けがあってこそです。今後、感覚的であるがゆえにデータを扱いにくいファッションも、テクノロジーを利用し、最適な仕掛けづくりをすることができれば、AIがスタイリストになる未来もそう遠くないのかもしれません。



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