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「ミラー+回転体重計」で体を3Dスキャンする「Naked」はファッションへの転用可能か?ー課題となるポイントとは

Naked Labs ships preorders, raises $14 million for 3D body scanner for homes
via VentureBeat

ニュースサマリ
カリフォルニア拠点、3Dスキャン会社「Naked Labs」は今年8月1日に家庭用ボディスキャナー「Naked」を発表している。事前予約者には発送済みで一般発売は2018年第4四半期を予定。このボディスキャナーはミラーと回転式の体重計で構成されており、体重や身長、BMIなどのデータを正確に測定できるほか、自分の身体を3Dモデル化して状況の変化を確認することもできる。2018年10月時点での価格は1395ドル(日本円で約16万円)。


話題のポイント
2015年創業のボディスキャナー開発企業です。現状ではヘルスケア分野での利用が主眼ですが、3Dモデルを把握していることから他分野での利用も視野に入れているのが特徴です。リリースにはこのようなプロダクトのビジョンが示されていました。

「Naked envisions a future where the world isn’t designed for any body, but for your body. Imagine clothes tailored to the 10th of an inch, dynamic health care plans, playing yourself in a video game (将来のビジョンとして、服のオーダーメイド向けに1インチの10分の1単位まで測定できる機能、ユーザに合わせたダイナミックなヘルスケアプランの設計、ユーザが自分自身を使ってプレイするビデオゲームをNakedに搭載させる)

プロダクトが手元にないので何とも言えませんが、データの正確性と測定時間(サイトには15秒とある)が正しく実現できているのであれば、ZOZOSUITより手軽かもしれません。

3Dデータが取得できるメリットとして身体の変化をより細かく知ることができる、という点があります。数値の変化が把握できるとダイエットやトレーニングのモチベーションに繋がりますし、普通よりも多角的に効果を知ることができるのです。

Image Credit : Naked Labs

ここからは想像でしかありませんが、研究者視点で見てみると画像を見る限りミラーから取得した画像だけでなく、何らかのサンプルとなる人体モデルを使っている気がします。もしそうだとしたらそのデータはどこから取得しているのかも気になるところです。

またビジネスモデルも重要なポイントです。ハードウェア単体で見た場合、日本円で16万円ほどする高額なフィットネス器具を幅広い層が購入する、というシナリオはなかなかハードルが高いでしょう。

しかしそうではなく、ファッションの量販店がサービスの一環として購入する場合はどうでしょう。顧客データをマーケティングに活用する、というシーンはありそうです。また、ヌード寸のデータを保有した企業として彼らを見れば、私たちのようにアパレルのD2Cモデルも考えることができるかもしれません。そして服作りにこれらのデータを活かすにはアパレルメーカーの協力が不可欠です。

ハードウェアの普及が最初のハードルなだけに、一般消費者への出荷後の動向が気になります。